エンジニアが映画評論家になるブログ

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エンジニアをしている普通のサラリーマンが、映画評論家になってどや顔で映画評論するまでの軌跡を綴るブログです

ゲームに飽きたときはこの映画を観よう。映画「PIXELS」

365日映画カレンダー(8月24日)

ピクセル」2015年

上映時間:105分

監督:クリス・コロンバス

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パックマンに食われそうになる主人公

どうも、毎年24時間テレビの時期がくるのを楽しみにしている者です。といっても番組自体にはまったく興味がないんだけどね。24時間テレビはSNSで「感動ハラスメント」とか揶揄されているらしく、同番組に対して否定的な意見を浴びせる人たちを観察するのが僕にとっての楽しみです。

 

さて、さっそく映画について綴っていきたいと思います。

 

 

 

はじめに

映画の概要

元ゲーマのさえないおっさんたちが、地球侵略にきた宇宙人に対してゲームテクニックを駆使して戦うという内容。

あとピクセルというのは コンピュータで画像を扱うときの、色情報 を持つ最小の単位のことをいう。画像をズームで拡大するとギザギザした正方形が見えるけどあれのことね。同じような意味で「ビット」という言葉もあるけど、ピクセルとはすこし意味が違うみたい。 

映画の雰囲気

映画の雰囲気に関してはとにかくツッコミどころが多すぎのおバカ映画。宇宙人は侵略してくるが「マーズアタック」みたいに人は死んだりせず、ほんわかした平和的な映画なので残酷描写が苦手という人でも鑑賞できます。登場人物たちのセリフや作品の流れは本当に「おバカ」の一言につきるので、「なんでもいいから思いっきりツッコミたいなぁ」っていう人にはオススメ。あと吹き替え版だと「北斗の拳」でケンシロウを演じていた声優さんも出演していて「アタタタタ!」とか「おまえはもう死んでいる!」とセルフパロディを入れるところなんかも意外によかった。

 

感想

宇宙人が襲来することになるきっかけからしてツッコミどころ満載

宇宙人襲来系の映画って、意外と襲来きっかけみたいなのって明言されていない作品も多いが、今作ではしっかりと言及されている。なぜ高度な文明をもった宇宙人は地球侵略を企てたのか?

 

映画の設定では

 

NASAは地球外生命体に向けて1982年当時流行していたゲームの映像などを収録したメッセージを友好目的として宇宙へ打ち上げた。しかしそれをみた宇宙人(ヴォルーラ)は、なにを思ったのか「地球人の宣戦布告」と受け取ってしまう。

 

 ヴォルーラ人は地球人とくらべものにならないくらい高度な技術をもっているが、結構なバカであることが分かる。しかも地球人が送ったゲーム画像にめちゃくちゃ影響をうけてるのがなんかかわいい。

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え、なんでこれ見て宣戦布告って思ったの???

 

濃い登場人物たちにツッコミどころ満載

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昔の親友が大統領になるという、話をさくさく進めるための強引な設定がステキ

左から順に

支持率最悪の大統領:ウィル

旦那を19歳のピラティスのインストラクターに奪われたアメリカ軍中尉:ヴァイオレット

少年時代、アーケードゲーム世界大会決勝で敗れたことをトラウマに抱えている今作の主人公:ブレナー

少年時代に「レディ・リサ」というゲームキャラクターに本気で恋をしてしまい、また友達はおばあちゃんしかいない童貞男:ラドロー

10歳からチートコードを駆使して、アーケードゲーム世界大会ではゲーム「ドンキーコング」でブレナーを打ち負かし世界チャンピオンになるも、大人になってからは落ちぶれて逮捕された:エディ

 

濃い……濃いよ。中でも僕が気に入ったのが今作のヒロインであるヴァイオレット。

笑ってしまったシーンは、途中で仲間になったQバート(ピンチになるとおしっこをもらす、かわいいやつだ)がピンチになったとき「もう死んだも同然よ!」みたいなことを言って見捨てようとするシーンに笑った。

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仲間になったQバート。かわいい

 

細かいことは気にしない!ところにツッコミどころ満載

今作はとにかくつっこみどころ満載だ。そのひとつひとつをなぞっていくと映画すべての流れを追うことになってしまうので、特にここだけは!という場面をつっこんでいきたい。

 

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この人たちはゲームの達人です

今作で突如現れた宇宙人たちは、「ゲーム世界のキャラクター」と同じ行動パターンをもっていて(たとえば体を撃つと分裂するけど頭を打つと死ぬ、みたいな)、だから最初は普通の軍隊が宇宙人に対抗しようとするが、敵の行動パターンが予想できず苦戦する。ちなみに敵に衝突するなどすると人間の体はピクセル化してしまう(死んでしまうわけではなく、一時的なもの)

そこで元ゲーマーたちが立ち上がるわけだが…ツッコミを入れたくなるシーンがさっそくあった。

 

「主人公は元ゲーマーなだけなのに、どうしてこんなに動けるんだよ!(笑)」

 

 まあ映画だからそこは気にしてはいけないのは分かっているけど…でも、このおっさんたちはただの元ゲーマーだよ?それなのに対宇宙人武器を手にしてバシバシと敵を倒していくシーンにはどうしてもツッコミをいれざるおえなかった。パックマン(宇宙人)と戦うときには華麗な運転技術をみせ、ドンキーコングと戦うときにはタルを余裕を飛び越えるなど、このおっさんたち、実は普通にスペック高いのでは?

 

作品としてのメッセージ性は一応ある(笑)

正直最初みたときは「パックマンとかドンキーコングが宇宙人が襲来する」という完全に出オチ映画かと思っていたけど、作中ではそれなりにメッセージ性を含んだシーンが存在する。

それはヒロインのヴァイオレットの息子ティムが最新のゲームをしているときにブレナーが「俺たちの時代にはリセットなんて機能なかった」というシーンだ。ゲームのリセットは「やり直し」を意味する。少年時代のトラウマ(世界大会で優勝できなかった)をいつまでも抱え、それをリセットできなかったブレナーだが映画のクライマックスのシーンでは「これでリセットだ!」と意外に主人公っぽいことを言う。結構いいシーンのはずなのに全然感動できないのはなんでだろう・・・

 

まとめ

観る人によっては「くだらない映画」と評する人もいるかもしれないが、今作は登場人物は誰一人不幸にならない。それどころか登場人物全員が物語を通じてほんのすこしだけ成長する、おバカでやさしい映画だ。また製作者たちの原作ゲームへのリスペクトも作中にしっかり反映されているのでぜひとも最後のスタッフロールまでしっかり見てほしい。

 

ブログ作成時間:20分