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エンジニアをしている普通のサラリーマンが、映画評論家になってどや顔で映画評論するまでの軌跡を綴るブログです

恋愛映画好き必見 『きみに読む物語』 【「物語」は誰の物語なのか?】

365日映画カレンダー 8月26日「きみに読む物語

 

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私はどこにでもいる平凡な思想の平凡な男だ
平凡な人生を歩み
歴史に名を残すこともなくじきに忘れ去られる
でも ひとつだけ

誰にも負けなかったことがある
命がけである人を愛した
私にはそれで十分だ

 

これは「きみに読む物語」の冒頭のシーンだ。ここまでの自信と確信をもって「愛した」と言える人が、この世にいったいどれほどいるだろうか?

主人公の男性は自分のことを平凡だと言っているが僕にはそうは思えない。僕自身のこともそうだし、周りの人間を見ていても思うのだが、現実世界で「純愛」なんてものはそうそうないからだ。でもきっとどこかで物語みたいな純愛がきっとあるに違いない、あってほしいと心のどこかで願っているからこそ、この映画を観た多くの人が心を打たれるのではないかと思う。

 

概要

映画は主に2つのパートから構成されている。

まず認知症を患い過去を思い出せなくなった女性と、彼女に物語を読み聞かせるデュークが登場するパート。以下、「現在パート」とする。

一方のパートは1940年のアメリカ南部シーブルックが舞台。青年ノアは別荘にやってきた17歳のアリーに恋をし、2人の恋が描かれるパート。以下、「過去パート」とする。

過去パートがメインに進み、徐々に現在パートにて謎が解けていくという構成。

 

感想

どうして原題の「The Notebook」にしなかったの?

日本語版のタイトルを考えた人は重罪だと思う。

映画の中では一応ネタバレしないように伏線を張っていてくれて、例えば認知症の女性に本を読み聞かせる男性の名前は「デューク」となっている。まあこれがどういう配慮であるかは映画を観れば分かるとおもうけど、制作者の工夫をぶちこわすようなことは正直どうかなと思う。

まあネタバレありきでオープンにした方が映画の宣伝効果はきっと高いんだろう。

例えばホラー映画なら「it」っていうタイトルだと「どんな恐ろしいモンスターが出てくるんだろう」と怖い物見たさの心理が働くけど、ヒューマンラブストーリーで「The Notebook」だと、「ふーん、なんかノートが関係ありそうなのはわかったけど・・」というくらいにか思わないのかもしれない。

タイトルでネタバレがなくてもほとんどの人は映画がはじまって「あれ?これってもしかして・・」ってなるとは思うけど、ストーリーの謎を自分で解くのも映画を観る楽しさだから、そこはネタバレしないでほしかった。

 

さて、タイトルは思いっきりネタバレだけど

 

ラストで「そうだったのか!」と自分の脳内でイメージしていた構成がひっくり返される瞬間がある

 

ので、そこは実際に映画を観て確かめてほしい。

 

冒頭のシーンにこの物語のすべてがつまっている

映画の冒頭は次のようなシーンから始まる。

夕暮れ時の湖畔にひとりボートを漕ぐ男性、それをどこか離れた別荘の2階から眺めている女性。そしてその女性がいる別荘の方へ飛び立つ白鳥。

このシーンは非常に印象的であり、美しいシーンだ。この映画のメッセージのひとつが込められていると言っても過言ではないと思う。

 

そして映画を見終わった後に冒頭のシーンを是非もう一度見返してほしい。1回目と2回目では全くことなった印象を持つはずだからだ。

 

物語に起きるのは奇跡ばかりではない

「純愛」系の映画は、実を言うと僕は苦手だ。

なぜなら「愛があるから奇跡がおきたんだ!」とか言って急に病気が治ったり、明確な理由はないけど無理矢理にでも物語を解決させようとする謎の力が働くことがあるからだ。子どものころだったらそういう展開でも感動できたけど、残念ながら僕は汚くてみじめでずるくてケチで卑しい大人になってしまった。

だから「天気の子」なんて観ようものなら「愛にできることはまだあるかい?とか歌ってるけど、大した愛の物語じゃなかったけどね」って突っ込んでしまう。「100%の晴れ女!」とか聞かされても、「雨が降らないと農作物が育たなくなってしまうだろうな・・」といったことくらいしか考えられなくなってしまった。

今作でも「奇跡」は確かに起きる。でも現実的で残酷な描写も存在する。僕はそこが今作の良さでもあると思っている。

「現実的」な部分と「フィクションで物語的な」部分のバランスってすごくむずかしくて、現実的すぎるとそれでは人は感動できないし、あまり物語(フィクション)すぎても白けてしまう。

しかし今作ではそれが非常にバランスよく描かれていて、思うに「老い」という避けることができない現実を丁寧に描いているからではないかと思う。

「天気の子」も確かにいいけど、そういった作品ばかりではなくて今作みたいな「大人な作品」も楽しめるようになると映画鑑賞の楽しみ方の幅がぐっと広がるだろう。

 

男ならレイチェル・マクアダムスに間違いなく惚れる

バカみたいな表現になってしまって申し訳ないが

ホント、めちゃくちゃかわいい

レイチェル・アダムスは過去パートのアリーを演じているのだが、役柄的には大金持ちの家に生まれたおてんば娘という設定で、彼女の雰囲気に実にマッチしている。

 

どうしてこんなにかわいいんだ?と半分くらい変態チックな視線で彼女の体をなめますように観ていた僕は、彼女の魅力がどこに隠されているかか気付いてしまった。

 

彼女の魅力・・・・それは・・・?

 

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鼻がめちゃくちゃキュート!!!!

鼻だ!!!!!!!

 

ぷくっとしていて、本当にかわいい!!!

上に写真だとかわいいっていうより美人という印象を受けるかもしれないが作中の彼女はそのへんの天使よりもかわいい。なにをするにも「もー!楽しくて仕方ない!」と好奇心旺盛に瞳をきらきら輝かせながら笑う彼女の顔は必見。

間違いなく彼女のファンになるはず。

というか、今作がきっかけでレイチェル・アダムスってブレイクしたんだっけ?

まとめ

作品の時間が2時間とボリューミーだが、登場人物の人生を最後まで見事に描ききっているのでまだ観ていないという人は是非。

 

ブログ作成時間:20分