BADMANではない! バットマンについてちゃんと知ってます? 「ダークナイト」
365日映画カレンダー 9月7日 「ダークナイト」
今さらですが「バットマン」シリーズの映画を観ました。
たくさんのシリーズがあったのでどれを観るべきか迷いましたが、バットマンのなかでも最近の作品であり評価が高かったのがこの「ダークナイト」だったのでまずは今作を観ることに。
「バットマン・ビギンズ」という作品もありますが3作品のなかでも2作品目の今作「ダークナイト」が一番評価が高いようです。
僕がバットマンを映画で観たのはたしか小学生のときだったと思います。
当時のバットマンは筋骨隆々の青髯マッチョが悪党たちをただバンバンと殴り倒すだけで、正直「つまんねー」と思いながら観ていたわけですが、時を経て再びバットマン映画を観た感想としては
「面白かった!」です。
特に今作ではバットマンの敵である「ジョーカー」が非常に魅力的に描かれていました。
さて、僕は「バットマン」に ついてほとんど初心者に近いので、設定等についてもいろいろ調べてみたので
「バットマンって聞いたことくらいならあるけど・・」
という人は、この記事を通して一緒に勉強していきましょう。
どんな人におすすめしたい映画か
・単なるヒーローアクションではなく、深みのあるストーリーを楽しみたい人
・敵との知能戦が観たいという人、つまり騙し合いがみたい人
*まったくの予備知識がなくてもそれなりに楽しめると思いますが、情報量が多いのですこし混乱するかも。
本記事を通して最低限の知識を得るきっかけになれば幸いです。
概要
いつもだったらこの欄にストーリーのあらすじをかくわけでですが、少し趣向を変えてまずは作品の設定について簡単な説明をしたいと思います。
バットマンについて超基本知識
①「BADMAN」?「BATMAN」?
【BATMAN】(コウモリ男)です
説明不要だと思いますが一応。BAT=コウモリ
主人公が幼少期にコウモリに対して恐怖心を持っていたことが由来になっているそうです。
また別の理由としては異形の姿をして悪をさばくことで悪者に恐怖心を植え付けるためだとか。
②基本設定
・バットマンの正体は「ブルース・ウェイン」。ブルース家は大金持ち。
彼の両親は幼少期に銃で射殺されており、そのことがきっかけでブルースは悪を憎んでいる。
・バットマンにはルールがあって
「銃は使わない」
「人は殺さない」
銃を使わないことは自分の両親が射殺されたというトラウマに起因しており、人を殺さないのは
「正義は秩序のため。復讐は自己満足のため」
という信念があるため。
③映画、アニメ、たくさんの作品が出ているけど・・・?
バットマンの原作はDCコミックというアメコミのヒーロー(マーベルコミックみたいなものと思えばいいです)であり、設定や世界観は作品ごとに違うようです。
よってどの作品から見てもそれなりに楽しむことは出来るでしょう。
最低限の共通設定としては「コウモリの格好をしたヒーローが悪と戦う」ということです。
今作は「ダークナイト・トリロジー」という一連の連続3作品の中の2作目。
1作目「バットマン・ビギンズ」の続編という位置づけになる。1作目では作品タイトルからも分かると思いますがバットマンが誕生するまでの物語が描かれているので、1作目→2作目のほうが当たり前だけど世界観は理解しやすいでしょう。
④クモみたいに糸が出たり、手からツメがでたりするの?
【なにもでません】
「スパイダーマン」や「ウルヴァリン」みたいなスーパーパワーはありません。
そのかわりに
「そこそこ強い」ことと
「資産家なのでめちゃくちゃ金があり、技術力の高い最新武器」をもっています
⑤コウモリなら飛べるの?
【飛べません】
しかしビルの上から落下する際に翼を利用して飛ぶに近い動作はできます。
⑥誰と戦っているの?
【ゴッサムにはびこる悪と戦っています】
そのなかでも今作では「ジョーカー」というキャラクターと激しいバトル&知能戦(基本的にバットマンがふりまわされる)をくりひろげます。
感想(ネタバレなし)
「ジョーカー」という悪役があまりにも魅力的すぎる
「概要」欄で作品の説明をほとんどしていませんが、ストーリーを詳しく説明しなくても、ジョーカーという男がどれほど異常であるかが分かっていただければ作品の説明としては十分だと思います。
「正義」であるバットマンに対し、ジョーカーは「悪」の存在となるわけですが、まずジョーカーが恐ろしい点、それは彼が持っている「信条」です。
正義にも悪にもそれぞれの「信条」があって、例えばバットマンなら「街の平和を守りたい」という強い気持ちがあり、一般的にはそういった信条を僕たちは正義と言います。
一方でジョーカーの「信条」は
「混沌にまみれた世界をみたい」
ただそれだけです。
言葉を変えれば「人間の汚い欲望にまみれた世界をみたい」とも言えるかもしれません。
壊れた世界を見てみたい、ただそれだけのために彼は爆弾をつかってたくさんの人たちを恐怖に陥れます。
ジョーカーはお金にはまったく興味がありません。
それゆえにジョーカーとバットマンは敵同士の関係ですが、ジョーカー自身はバットマンを倒すことに興味はありません。
興味があるのは
「バットマンは正義の味方ではなく、ただの人殺しである」
ということを世間に証明することであり、バットマンに自分を殺させようとするシーンすらあります。
このようにジョーカーのあまりにも純粋すぎる「悪の信条」のため、バットマンは利用され、振り回され、そして苦しみます。
今作がおもしろいのは、「純粋すぎるほどの悪」が見事に描かれており、そのため対局の存在であるバットマンを応援したくなるような構成ができている点でしょう。
どれほどジョーカーが最悪で最高な敵であるかは実際に映画を観て確かめてほしいです。
感想(ネタバレあり)
ジョーカーの胸糞シーン
作中では
「正義か、悪か」
「家族をとるか、平和をとるか」
「自分を守るか、他人を守るか」
といった選択がたくさん登場します。その選択をどうするか、というところに人間の欲求が隠れていて、ジョーカーをその選択をさせるなかで人間の利己的な欲望を観察し楽みます。
バットマンもジョーカーの罠により苦しい選択を迫られるのですが、その結末はあまりにも悲しいものでした。
その選択とは
バットマンが愛する「レイチェル」か、街の平和の象徴となりつつある「ハービー」か
どちらかを選ぶかというものでした。
(*レイチェルとハービーはそれぞれ別の場所に拘束され、しかも二人のそばには大量の爆弾が設置されている。爆破まで時間はなく、バットマンはどちらを助けるのか悩むという状況)
ハービーは地方知事を務めており、バットマンの正体であるブルースはハービーを認め、彼こそがバットマンに変わって街を平和にしていくと確信します。そしてレイチェルはブルースにとってかけがえのない存在です。
ジョーカーはそんな二人を天秤台の上に無理矢理のせ、バットマンに選択させます。
「自分のために愛を選ぶか」か「街のために平和を選ぶか」
バットマンは「自分の愛」を選択します。
ジョーカーは二人が拘束されている場所をバットマンに伝えますが
わざと「逆の場所を教えます」
その結果、バットマンはハービーを助け、レイチェルは爆発によって死んでしまいます。
正義のヒーローにこういう選択をさせ内面を無理矢理ひきだすっていうやり方が本当に胸糞悪くて最高です。
こういったシーンはいくつもありジョーカーは卑劣で最悪なキャラクターとして描かれますが、そのやり口は非常に巧妙かつ人間の心理の核心にせまるもので、先の読めない展開は本当にスリリングで面白かったです。
このシリーズは三部作であるため、また別の機会に残り2作品も鑑賞したいと思います。
まとめ
他にもたくさんよかったシーンはありました。特に感想(ネタバレあり)の部分でも書いたように本作では「表と裏」、つまり対局の関係が見事に描かれているのでそういった部分に注目して映画を観てはいかかでしょうか。
ブログ作成時間:35分