嫌なことなんて忘れちまえ! 一週間しか記憶が持たないヒロイン(笑) 映画感想「一週間フレンズ」
365日映画カレンダー 10月8日 「1週間フレンズ。」
おすすめ度
3:内容はうすいですけど、雰囲気は良い。
【おすすめ度は1が低評価。5が高評価。あくまでも独断と偏見による評価です】
概要
もう映画の概要はぶっちゃけ予告を観た方が早いような気がする(笑)
↑ 150万人が感動したらしいです。
感想
ツッコミどころの多い展開!もう、最高!(笑)
いやーヒロイン病気系の映画って本当に最高ですよねー。
なにが最高って、「感動させる」ためにいろいろ無理矢理設定をつくっているからツッコミどころ満載でみていて本当に面白い(笑)
もうどこからツッコんでいいのか困ってしまいますけど、これだけは言わなくてはいけないのが
ヒロインの記憶は1週間経つとリセットされてしまう
ことについて。
健忘症といった症状も実際にあるし数日経つと記憶がなくなってしまう人は実際にいるのだろうけど、今作のヒロインは「友人に関する記憶」だけが器用になくなります。
そのようになってしまったきっかけは二つあって、まず一つは交通事故。もうこれは鉄板ですね。とりあえず事故にあわせておけばなんでもあり、という短絡的な考えは僕個人としては結構好きです。(笑)これからも映画のなかでたくさんのヒロインたちが車に轢かれるんだろうなー。
そして二つ目の原因は「中学時代の、男女間のトラブル」です。
簡単に言ってしまうと・・・
・中学時代ヒロインのクラスには超モテモテのイケメン君がいた。
・ヒロインの友人がそのイケメン君が好きだった
・しかしイケメン君はヒロインのことが好きで、ヒロインに告白しようとする
・すると友人から「自分だけぬけがけして!」という全く意味不明のひがみを受ける
・ヒロイン、ショック!
・なぜか交通事故に遭う(笑)
・そのときのトラウマが引き金となって、一週間しか記憶が保持できなくなってしまう
うーーん。なるほど。
友人からそんなことを言われればそりゃショックで記憶も1週間しかもたなくなりますよねー・・・って
ふざけんな(笑)
これくらいのいざこざで記憶を消し飛ばさないでくれ・・・。頼むから・・。
とまあこんな感じで、びっくりするほど大したことない理由でヒロインは記憶を失います。一応ヒロインの家族は「娘の病気とは一生よりそっていくつもりです」的な発言を悲痛な面持ちでしてくれるわけですが、「友人関係忘れちゃうくらいだったら別にどうってことない?」と思ってしまいました。実際、ヒロインは学校生活を普通にすごせているようですし。
病気に対してのツッコミはこれくらいにして、次は登場人物たちに対してツッコんでいきたいと思います。
まずは主人公に対してツッコミたいことは一つ!
ヒロインに対しての行動動機がブレてない?
ということ。
この映画は恋愛映画なの? 男女間の友情を描いた映画なの?主人公の行動に一貫性がなくてそのへんがまったくわからん!しっかりしてくれ!
冒頭の時点では、主人公はヒロインと「友達」になりたいって思っていたはずなんですよ。
そりゃヒロインは美人設定なのでまったく恋愛感情がない、なんてことはないと思いますが、一週間で友人関係を忘れてしまうヒロインのために交換日記をはじめるとき「僕と友達になってください!」って言っていたので、僕はその言葉通り主人公はヒロインと友達になりたいんだな、と理解していました。
ところがどっこい、ヒロインの元同級生(どうみてもイケメンにみえない)とヒロインがいい感じになったとき、主人公は目に見えてショックを受けていて
「おまえ、ヒロインと友達になりたかったんじゃないのかよ」
とツッコミをいれたくなりました。というか、映画を観ながら一人でツッコミました。(笑)
さらに自暴自棄になった主人公は、ヒロインとの思い出がつまった交換日記を燃やすという暴挙にでます。
「彼女を救えるのは俺じゃないんだ・・」
と訳の分からない言い訳をしてあっさりヒロインとの関係を終了する主人公にはガッカリしました。まあそのシーンでは笑いましたけど。
(ちなみにこのご時世、携帯電話があるのに交換日記という超古典的な方法でヒロインとやりとりする主人公はさすが。ちなみにヒロインは携帯電話をもっていません。ヒロインは記憶なくなるという大変な状況なのに、どうして家族は携帯をもたせないのか?
なぜなら、主人公と交換日記をさせるためさ!笑)
主人公のキャラも定まっていないため、周りにいる登場人物たちも全員ふわふわしていて、「このキャラいる?」と言いたくなるような登場人物がゴキブリのように湧いてでてきます。
なかでも僕が一番お気に入りの「こいつ必要ないだろ」キャラは主人公の友達の「桐生」君というキャラです。
彼は映画の世界のなかではすべての女子の目からイケメンにうつっているらしく、教室では彼がなにかするだけで「きゃー!桐生君かっこいいー!」的な雰囲気になります。
じゃあ桐生君が主人公に対してなにかプラスのことをするかというと「全く役にたちません」
間違いなく役に立っていません。
というか、作中には一応登場していますが彼の存在意義がまったく不明でした。
しかも桐生君役の俳優さんの演技がこれまた最高で
「オマエ ヒトリデ ゼンブ カカエコンデ スゲーヨ」
なんていう機械みたいなしゃべり方をします。びっくりです。さすがにどうなの?っていうレベルの演技でした。
結論として僕が声を大にして言いたいこととしては
桐生君は最高
ということです。
一番よかったシーン
全体的にぺらっぺらのストーリーですけど演出的には結構よかったシーンが多かったです。
主人公は漫画研究部に所属していてヒロインのために、図書室で借りた本に勝手にパラパラ漫画を作成するシーンがあるのですが、これがなかなか味があるタッチで描かれていてよかったですね。
たぶん原作者はこの「パラパラ漫画」のシーンをやりたいがために主人公を漫画研究部にしたんだと思いますがその判断は大成功で結構感動しました。
芸人の「鉄拳」がパラパラ漫画で有名ですけどあんな感じの優しいタッチで、主人公とヒロインが共に過ごした「ふわっとした、ほとんど中身はないけどいい感じの時間」をそれこそいい感じに表現してくれています。
その中身すかすかのパラパラ漫画をみたヒロインは主人公との日々を思い出し涙するという、超ドストレートな展開は僕的にはかなり胸熱でした!
あと主人公はラストに高校を卒業するわけですが、卒業式のシーンもよかったです。僕はもともと高校教師をしていたので、卒業式のシーンが流れるだけで教師時代を思い出して感慨深い気持ちになるんですよねー。卒業式シーンはずるい。
この記事を読んでくれた人は
「こいつ、『1週間フレンズ。』をバカにしている!」
と思うかもしれませんが誤解しないでください。
普通にバカにしています。
小話 高校生は息を吐くかのごとく青春をする
映画の話は終わりで(笑)僕の話をすこしさせてください。
さきほどすこし触れましたが僕は高校の教員をしていました。
大学を卒業してすぐに県立高校の教師として働きだした僕はどこからどうみてもただのワカゾーで、先生になってからしばらくはなかなか「教師」を演じることができませんでした。
「生徒を怒る」って結構なストレスで、僕は怒るのがとにかく苦手でしたねー。
体育の先生とかは「バカなの?」っていうくらい全力で生徒を怒れるわけですが、僕はなかなか怒れなかったため、結果として生徒になめられてしまっていました。
ある女子生徒は僕のことを特にバカにしていて、僕は数学の教員だったのですが彼女は授業をなかなか真剣に聞いてくれません。
僕「○○、ちゃんと聞きなさい」
女子生徒「はいはーい わかったわかった!」
なんて感じのびっくりするほど不毛なやりとりをしていました。
そんな彼女は数学が苦手で、2年生のあるとき赤点をとってしまったため、僕と一対一で教科指導をすることになりました。
僕は彼女のことが正直苦手だったので「いやだな」と思っていましたが、彼女は普段の授業と違って驚くほど素直に僕の話を聞いてくれました。
補修が終わって、彼女を学校の正門まで送ったとき
「先生、いつもバカにしてごめんね。わたし、先生のこと好きだから」
と言われました。
映画だったら間違いなくいい感じのBGMがかかっていたと思います。マフラーを首に巻いて、僕に手を振りながら駅の方へ向っていく彼女をみて
「高校生、やべぇな」
と思いました。やつらは息をはくかのごとく、青春ワードをすさんだ大人の僕たちに投げつけてきます。
そんな彼女も高校を卒業する日が来ました。
僕は彼女から手紙をもらいました。結論から言うとちょっとしたラブレターでした。
卒業生の手紙は今でもずっと大事にもっていて、もちろん彼女の手紙も手元にあります。
その手紙に青春度はやばかったですねー。
こんな感じの内容でした。
**
先生、いつもひどい態度をとってしまってすいませんでした。
わたしが赤点をとってしまったとき、先生は数学が苦手なわたしに対してすごく丁寧に教えてくれましたね?
その日のこと、先生は覚えていますか?
わたしは覚えています。
きっと、これからもずっと覚えていると思います。
ダメだと分かっていますが、どうしても言いたいので言わせてください
先生、好きです。
**
「高校生、やべぇな」
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