突然脅かすから劇場ではポップコーンを落としまくった。 映画感想「It -THE END-」
365日映画カレンダー 11月3日 「It THE END 」
おすすめ度
4:"怖い"の質が前作よりも低下してしまったような気がする。しかしエンターテイメント性でいえば良作だと思う
【おすすめ度は1が低評価。5が高評価。あくまでも独断と偏見による評価です】
概要
本編新映像公開 映画「IT/イットTHE END “それ”が見えたら、終わり。」
感想
物申したいこと
①前作を観ていない人にはさっぱりの内容だと思う。絶対に前作は観ておいた方がいい
普通、続編映画ってある程度は前作を観ていなくても分かるようにしてくれる考慮があるような気がするけど今作についてはそういった考慮はされていないです。
僕は前作を観たんですけど、そんな僕が観ても「あれ?なんか回想シーンがあるけど、こんなシーンあったっけ?」となった。
もう少し丁寧に説明してほしかったなー。
②上映時間がなげぇ!
まあ別にいいですけど、ちょっと長過ぎやしないですか?169分ですよ?
初めてのデートとかで観るような映画でないことは間違いないですね・・・。まあデートでホラー映画なんて観ない・・・のか?
僕は上映時間を調べずに映画を観にいったわけですが5時25分に開始して、映画が終わった時間を確認したときに8時25分だったから
「は??????」
ってなった。笑
時計がぶっこわれたかと本気で思いました。
まあでも逆にいえば3時間も飽きずにずーっと映画を見続けることができたってことは良作だったってことなのかもしれない。子どもとかといったら、ピエロが怖くて泣き出すというより、集中力が切れて泣き出す子がいるに違いない。
上映中にトイレに行った人が5人くらいいた。
③子ども時代、現代パートでの人物が一致しない
当たり前ですけど映画において 子ども時代 の主人公を演じる役者と 大人になってから を演じる役者は別です。つまり同一人物を二人の役者が演じることになるわけです。
ある程度似ている役者を用意してくれているならまだしも、映画が始まって思ったことは
「こいつ、誰だよ?????」
ってキャラが多かった。
主人公がどのキャラなのかも判別ができないレベル。
判別がついたのは殺人ピエロである「ペニーワイズ」と女性キャラだけだった。笑
↑ 主人公のビル。なかなかの美少年(゚_゚;)はぁはぁ
それが作中時間だと27年の歳月を経て・・・
誰やねん・・・・
しかも今作は主人公チームの登場人物が結構多いので、さらに頭の中が混乱しました。
このへんはもうすこし丁寧に説明してくれてもよかったような気がする。映画開始からしばらくしてようやく顔と名前が一致しました。(笑)
④タイトル詐欺
タイトルでは「"それ"が見えたら終わり」とか言ってますけど、"それ"が見えても全然問題ありません。リングの貞子とかだったらそれこそ「見たら終わり」ですけど、今作の場合は
「”それ"を見ても問題なし」
に改題した方がいいのでは?
殺人ピエロは割とバンバン出てくるし、主人公たちを殺す気がそれほどないのか、脅かして終わりってパターンが多すぎです。
「登場人物たちはおそらく死なない」って分かると緊張が一気に下がってそれほど怖いと感じなくなってしまったのは残念だったなぁ。
良かった点
少年少女だった登場人物たちが大人になって、青春時代を回顧するシーンはすごくよかったです。
今作はホラー映画なわけですが、ピエロが登場人物たちを襲う恐怖シーンよりも、主人公たちが青春時代のほろ苦い思い出や楽しかった出来事を思い出して物思いにふけるシーンの方がはるかに印象的でしたね。
まあ自分が30歳のおっさんだからってこともあるかもしれないけど。笑
人には
「思い出したくない過去」
と
「忘れたくない思い出」
があって、主人公たちにとって思い出したくない過去とはすなわち「幼少期のトラウマ」だったり、「殺人ピエロの存在」です。
逆に忘れたくない思い出とは「大切な仲間たちとすごした時間」です。
登場人物たちはみな大人になったわけですが本質的な部分、まあ要するに人間性を示す「芯」の部分は昔のままで、
「俺たち大人になっちゃったけど、変わってないよなぁ」
って再会して喜び会うシーンは個人的にジーンときてしまった。笑
歳をとるとよくわからんところで感動してしまうから困ったものです。
続編作品の良いところって「前作」と「今作」とで登場人物たちの成長だったり変化が見られるところにあると思うんです。
前作ではヘタレだったけど、大人になって成長したなーとか、今作では登場人物たちの個性により厚みがでており、一人一人のキャラクターが非常に魅力的に描かれていたように思います。
さて、以上がよかった点です。
ここからは劣化した点について言及していきたいと思います。
前作よりも劣化した点
劣化した点、それはどこか?
ずばり、殺人ピエロである「ペニーワイズ」です。
まあCGとかは結構すごくて、「金かかってんなー」ってのはよく分かるわけですが、もうすこしペニーワイズならではの方法で登場人物たちを追い詰めてほしかったな、というのが僕の感想です。
どういうことかと言うと、ペニーワイズの最大の脅威とは「人間が抱くトラウマや恐怖、心の闇につけこんで襲う」ってことだと思うんですよ。
確か設定では
「ペニーワイズの好物は小さい子ども。特に夢をもった子どもを恐怖のドン底に陥れて食べることを好む」
だったはず。いいじゃないですか。めっちゃ怖いし、非常にいい設定だと思います。
前作では登場人物たちが抱えるトラウマにペニーワイズがつけ込み、精神的に追い詰めるというシーンがふんだんに盛り込まれていて怖かった記憶がありますが、なんでしょう・・・・今作はハッキリいって「モンスターパニック映画」なんですよねぇ。
ペニーワイズが急に現れて ドン!!!
みたいなシーンばっかり。これでは全然こわくありません。
映画を観ている最中、ポップコーンをめっちゃ大量に落としたり、「わっ!」って小さな声をあげてしまいましたが、全然怖くはありませんでした(笑)
べ、別に怖くなかったんだからねッ!
まあ実際には怖いってか「驚かされる」シーンはいくつかありましたがどれもワンパターンで古典的であり、ちょっと物足りなかったというのが本音かな。
あと残念だったのが「ペニーワイズの倒し方」ですかねー。
主人公たちはペニーワイズを倒すための儀式を頑張って実行するわけですが、結局それが効果がないことが分かり、主人公たちは「じゃあどうやって倒そうか」という窮地に立たされます。
さらにペニーワイズは謎の巨大化をし、クモみたいなヴィジュアルになって襲いかかってきます。大ピンチです。
割と本格的な巨大化をしてしかも動きがめっちゃ素早いので普通なら登場人物たちがあっさり「即死」しそうなものですが、間一髪のところでペニーワイズの攻撃をかわします。主人公チームたちの身体的なスペックは割と高いのかもしれません。そういえば前作でもラストは割と肉弾戦だったような・・・・笑
まあこんな状況なんで「どうやってオチ(ペニーワイズ)を倒すのかなー」と思っているとまさかの最終手段は
「ねちねち悪口攻撃」
でした。
「おまえなんてただのピエロだ!」
「おまえは愚かでまぬけな、ただのピエロだ!」
突如主人公たちは強気になってペニーワイズに暴言を吐き捨てます。
このご時世こんなことを連呼すればSNSで即拡散されて「一方的なイジメだ!」なんて言われそうなわけですが、ペニーワイズにも「口撃」は効果てきめんだったらしく、ピエロの体はみるみる小さくなってしまいます。
うん、意味わからん。
あれだけ儀式の準備とかしてたくせに、意味なかったやん。
なんだかなー。。。。。。って感じです。
結論としては「It」はホラー映画としては微妙で、登場人物たちの「成長」を描いたヒューマンドラマとしては良作でした、ってことです。笑
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