エンジニアが映画評論家になるブログ

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エンジニアをしている普通のサラリーマンが、映画評論家になってどや顔で映画評論するまでの軌跡を綴るブログです

選ばれし引きこもりによる物語。 映画感想「世界は今日から君のもの」

365日映画カレンダー 3月2日 「世界は今日から君のもの」 

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門脇麦さんが主演の映画はじめて観たけどなかなか不思議なオーラをもった人だと思った

 

おすすめ度

2:ほんわかした雰囲気は好きだけれど、さすがに偶然が重なりすぎ・・

【おすすめ度は1が低評価。5が高評価。あくまでも独断と偏見による評価です】

概要 

引きこもりの主人公がほんのすこしだけ成長するという物語。

 

制作者がタイトル「世界は今日から君のもの」に込めた意味としては、引きこもって苦しんでいる人たちに勇気をもってほしかったんじゃないかなと勝手に想像しています。


『世界は今日から君のもの』予告編

感想

「引きこもりな主人公」

 今作の主人公は引きこもりです。

 

高校生くらいからひきこもっているという設定のようですけど、割と「ライトな引きこもり」です。

 

ライトな引きこもりってなんやねん、ってなるわけですが引きこもりにもレベルがあって、

 

例えば重度な引きこもりであれば

一歩も自室から出ることができない。

家族とも会話できない

こんな人だって世の中にはいて、社会問題にもなっています。

 

その点今作の主人公は一応引きこもりではありますがバイトだって普通にしていますし、小学校からの幼なじみ(しかも男)を自分の部屋に招き入れるなど、割と社交性はある方だなという印象でした。

 

そんな主人公がほんのすこしだけ成長する、というのが今作のテーマです。

 

ただ主人公の引きこもりレベルがもともと高くないので、観ているこっちとしては

主人公。ちょっとがんばったなあ。よかったなー

くらいの感情しか持ち合わせることができず、いまいち面白みに欠けるというのが僕の正直な感想でした。

 

ただこういう「ほのぼの系映画」を好きな人も一定数はいると思うので、ど派手なアクションじゃなくてまったりとした映画をみながら休日をのんびりすごしたい、という人には合っている映画かもしれません。

 

どんな人にお勧めできる映画か?

さきほども書いたように「まったり系映画」なので

日曜日の午後3時とかにだらだらしながら観る

映画としては意外にいいかもしれませんね。ただ途中で寝るかもしれないけど。笑

 

ど派手なアクションとかよりも平凡な日常に焦点をあてた映画の方が好きという人にはお勧めできます。

 

ちなみに今作では恋愛家族との絆、も一応描かれてはいますが、本当に「一応」そういうシーンもいれてみました、という感じなのでそういった要素に期待している人は結構がっかりするかも。

 

とにかく「ほのぼのした雰囲気を味わいたい」という人にお勧め。

というか逆に、そういった人以外が観ると退屈すると思います。

 

偶然が重なるストーリー展開

ここまで読んでくれた人なら文面の温度感から伝わっていると思いますが、僕個人の作品の評価としてはイマイチでした。

 

なぜかというと、「いろいろ偶然が重なりすぎ」だもん!

 

物語がはじまるきっかけくらいは偶然でもいいと思いますが、それから先は主人公なりに悩み、葛藤し、行動して状況を乗り越えてほしかったなあ。

 

引きこもりの主人公はそれまで努めていたバイト先をクビになって父から新しいバイト(ゲームのデバッグの仕事)をはじめるわけですが、そのバイト先にてさっそく偶然が発生します

 

主人公におきた偶然

 

お昼休みに非常用階段にすわり1人でご飯を食べる主人公。

 

すると上階から

 

ひらひら~

 

突然、紙がおちてきます。

「なんだ?」とおもって紙をみるとそこにはゲームのキャラクターが描かれています。ちなみにそのキャラクターのデザインはなんともいえないクオリティで、観ているこっちとしては「クソゲーなんだろうな」というのが一瞬で分かります。

 

さて話を戻ると、キャラが描かれた紙をもって上階へいくとなにやら男が誰かと電話をしています。

 

「頼みますよ。明日までにデザイン変更してほしいんですよ・・・もっとこう、躍動感のある絵にできませんかね?」

 

そういって電話ごしに頼む男。

電話の会話のなかで、なにをどう困っているのかを観ている視聴者が分かるよう具体的に説明してくれます。笑

しかし突然電話を切られてしまったようで男は「くそ!」といってめちゃくそ分かりやすく落ち込みます。

 

さて主人公のとるべき行動は整いました

 

引きこもりの主人公は「絵の才能」があったのでキャラクターが描かれた紙に自分なりに修正を加えてその画像をメールに添付して男に送ります。

 

そのメールをみた男は「すげぇ!めっちゃ良くなってるんじゃん!」と大喜び。

 

どこの誰から送られてきたかも分からないメールに添付された修正後のキャラ画像をみて興奮ぎみの様子です。ちかくにいた同僚の職員も「これはすごい・・・素人の技術じゃないですよ」とベタぼめです。

 

そうなんです。引きこもりは時間がたっぷりあるので絵だって上手なんです。

 

・・・・

 

 

・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・

 

ふざけんな(笑)

 

結局今作が言いたいことは

 

主人公は「特別なスキル」=絵の才能、運

があったから自分の殻をやぶることができたよ

と主張している気がして「なんだかなー」というもやもやが残りました。

 

その後の展開も基本的には運だったり、周囲の人がおこすトラブルがトリガーとなって物語がすすむため、主人公が主体的にとった行動でなにかが解決するわけではありません。

一応主人公は勇気をふりしぼってとある行動にうつるわけですが、それも結局勘違いに終わってしまいなんだか可哀相な雰囲気になってしまいます。

 

まとめ  

世界は今日から君のもの

 

ただし、才能があってなおかつ運にめぐまれた人に限る。

 

ブログ作成時間:20分