エンジニアが映画評論家になるブログ

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エンジニアをしている普通のサラリーマンが、映画評論家になってどや顔で映画評論するまでの軌跡を綴るブログです

あなたは、恋してますか? もうすぐ春です。 映画感想「全員、片思い」

365日映画カレンダー 2月28日 「全員、片思い」

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みなさん、突然ですが・・

 

、してますか?

 

いつ、どの時代においても恋をテーマにした歌、物語が必ずあることから分かるように、人間と恋は切っても切り離せない関係にあるのかもしれません。

 

さて、今作「全員、片思い」はタイトルそのまんまなんですけど、登場人物は全員片思いをしています。

 

両思いになってハッピーエンドパターンももちろんいいですけど、密かに誰かに憧れ、心の内側に自分の思いを隠す・・・ってすごく切ないですよね?

簡単に告白できれば苦労しないわけですが、今作の主人公たちはそれぞれ告白できない悩みをもっていて、だからこそ物語になるわけです。

 

 

ところで

俺は片思いなんてしたことないぜ!

 

っていうあなた。

今は片思いをしたことがないだけで、いずれあなた自身も今作「全員、片思い」の登場人物たちのように誰かを好きになり、悩む日が来ると思います。

なぜなら人間は、恋する生き物なのですから。

 

 

おすすめ度

5:おじさんにはたまらんキュンキュン作品

 

【おすすめ度は1が低評価。5が高評価。あくまでも独断と偏見による評価です】

概要


映画『全員、片想い』予告編

感想

基本的な構成

まず映画の構成を簡単に説明しておくと、今作は8つの短編作品(ひとつ15分程度)があつまったものとなっています。

 

メインのエピソードは、かつて人気グループのボーカリストだった男(いまはただの酒飲みの汚いおっさん)が自身の番組でリスナーから募った片思いエピソードを7週連続で紹介する、というものです。

 

おっさんがエピソード紹介→各ストーリーが始まる・・って流れですね。

 

なんかこういう企画のありそうだよなーと思っていたらどうやら実際にそういったラジオ企画があったらしいです。

 

さて、先述したように今作は7つ(おっさんのストーリーを除く)のショートストーリーから構成されています。ひとつ15分程度なので、情報が少ない分自分で推測する必要があり、割と「状況設定は自分で考えろよ」という感じでそれが逆によかったですね。ただすこし難点があるとすれば、やっぱり恋愛映画ってアクション映画みたいに展開の起伏がはげしくないので、ショートストーリーが7本もあるとさすがにダレるかなっていう気がしました。

なので、二日とかに分けて観るといいかもです。

 

さて、本編のエピソードを紹介したいと思いますが7作全部はちょっとくどいような気がするので、個人的に僕のお気に入りのお話3つを紹介したいと思います。

 

本編感想

MY NICKNAME  is BUTACHI

女子高生のノムラ(伊藤沙莉)は自分に「ブタっち」とあだ名をつけた幼なじみの男子・サタケに想いをよせているが、一方のサタケはノムラを友達としか想っていない。自分の気持ちをいつかサタケに言わなければならないノムラだったが・・・

 

というわけで、一作目は定番といえば定番の高校生2人の物語。

王道展開ではありますが

このエピソード、すごく良かったです!

 

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伊藤沙莉さんの声が思った以上にハスキーだった!ちょっとぽっちゃりしてるけど、愛嬌あってかわいい。

まず主人公の伊藤沙莉さんの演技がすごくいい。演じているというより、役に憑依している感じで「伊藤沙莉さんって素でこういう人なのかな?」と思ってしまうくらい自然な演技でした。ハスキーボイスもかわいい!(女芸人の「椿鬼奴」さんに似てる笑)

 

ところで高校生のとき「女子だけど男子と同系列で扱っていい女子」っていませんでした?

下ネタとか言っても、「やめてよー」とか言いながら手を叩いてげらげらと笑ってくれたり、「でぶ!」とか「ぶす!」とか結構ひどいことを言っても「うっさいわ!」とか返してくれるような子。今作の主人公「ノムラ」はまさにそんな感じの性格で女子力はすこし低めです。

 

そんなノムラはサタケに恋をしているわけですが一方のサタケは彼女の気持ちには気付いていません。2人は小さいころ(小学生くらい?)から仲がよかったため、サタケはノムラを「なんでも気軽に話せるやつ」とくらいにしか思っていません。

 

「誰か女の子紹介してよー」

とノムラにいうサタケ。

 

「友達以上」になりたい彼女の気持ちなんてまったく知らないサタケ君はそこそこデリカシーのないことを言ってしまいます。

 

複雑な表情を浮かべるノムラ・・・・

 

た、たまらんです・・・。こういう展開大好き。笑

 

「友達」か「友達以上」かで悩むならやっぱり主人公の設定は高校生にすべきだなーって思います。大学生だとなんかチャラいし、中学生だとまだ子どもだしなーってなるので、高校生くらいの「子どもじゃないけど大人でもない」っていう精神状態がなんとも作品の雰囲気にマッチしていると思う。

 

ネタバレはしませんが、(っていうかタイトルが「全員、片思い」だからある程度展開は予想つくわけですが)物語のラストでノムラが勇気を出してある行動に出るシーンはもう

 

キュンキュン

 

しました。

映像も綺麗ですごくよかった。是非、みなさんにも観てもらいたいです!

 

サムシングブルー

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広瀬アリスの演技めっちゃよかった

7作あるエピソードのなかでこれが一番すきでした。

理由は二つあって、まずタイトルがすごくいい!

サムシングブルーっていう英語の意味は「なにか青いモノ」で、ラストシーンで「ああ、そういうことか!」と納得させられます。海沿いの美容室が舞台なんで、青いモノってあれかなーなんて予想しながら観ていたわけですが、見事に僕の予想は外れてしまいました。笑

 

2点目はなんとこの作品、登場人物たちのセリフが一切ありません。なぜそういう演出になっているかも途中で分かりますが、作品の雰囲気は映像のある詩のようであり、絵本のようであり、繊細で美しかったです。

 

広瀬アリスさんってバライティで見る限りは結構男っぽい人・・・という印象が強かったですけど、上の画像からも分かるようにすごく女性的な表情をするんだなと驚きました。

 

片思いスパイラル

ラストに紹介するのは、韓国人の留学生が主人公のお話。

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元KARAの知英(ジオン)が主人公。めっっっっっちゃイケメン!最初みたとき女性だと分からなかった

作中で詳しく言及されていないですけど、主人公の女性は性同一性障害(?と想われる)で、日本に留学来た際、ホームステイ先のルームメイトのユキに恋をしてしまいます。

 

今作でよかったのは主演の知英さんのルックス! タバコを吸ったり歩いたりするだけでいちいちかっこよくて、非常に絵になりましたねー。

 

一見すると気が強そうな彼女ですが内面は繊細で、自分は女性を愛せる人間である一方、想いをよせるルームメイトのユキは普通の女の子、つまり男の子に恋をしてしまうわけで、そんなユキをみて落ち込んだりします。

 

周りに同性愛者の友達とかはいないですし、そういった人たちの気持ちに100%寄り添うのは難しいですけど、ただ僕でも分かることとしては「好きな人に想いを伝えることすらできない」っていうことはとても苦しい、ということです。異国の地から来た留学生っていう設定も今回のテーマにあっていてよかったとおもう。

 

まとめ

紹介したエピソード以外もキュンキュンすること間違いなしなので、是非今作「全員、片思い」を観てほしいです!おすすめっす。

 

最後に、余談というか愚痴になってしまいますが・・・

メインで走っているラジオパーソナリティのおっさんも「片思い」しているわけですが、正直それは微妙だった。笑

とって付けた感のいいかげんエピソードがやばい。

 

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