エンジニアが映画評論家になるブログ

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エンジニアをしている普通のサラリーマンが、映画評論家になってどや顔で映画評論するまでの軌跡を綴るブログです

死のピタゴラスィッチを楽しめ! 映画感想「ファイナル・デッドブリッジ」

365日映画カレンダー 10月5日 「ファイナル・デッドブリッジ

 

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↑予告というか、ほとんど映画の内容をすべて説明してくれています(笑)

 

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これはかなり痛いシーン・・・

 

おすすめ度

3:どのように人が死ぬか、それのみを楽しむだけの映画

【おすすめ度は1が低評価。5が高評価。あくまでも独断と偏見による評価です】

 

【ざっくり感想】

かなり好みが分かれる映画になることは間違いないですね・・・。 残酷描写がいける人だったら問題ないと思いますが

むやみやたらに人が死ぬだけの映画は嫌い!

っていう人は最後まで観ることができないと想います。

 

だって、人がどのように死ぬかを観るだけの映画だもん。

死の運命」に翻弄される若者たちを描いた今作ですが実はシリーズ5作品目とのこと。

 

第1作 ファイナル・デスティネーション

第2作 デッドコースター

第3作 ファイナル・デッドコースター

第4作 ファイナル・デッドサーキット

 

実はこのシリーズを観るのがはじめて。

なんで一作目から観ないのか?というと、ストーリー的にはどこから観てもそれほど影響ないだろうと思ったから。

それにしても第2作だけタイトルが他とはちょっと違うけど何か理由があるのだろうか?

 

概要

 主人公のサムたちは会社の研修旅行の中、工事が続く巨大な吊り橋をバスで渡ろうとしていた。

そのときサムは突如として橋が崩れ落ち同僚たちが次々と死んでいく悲惨な白昼夢を見る。夢からさめたサムは周囲にこれから起きる大惨事を伝えるが信じてもらえず、恋人モリーをつれてバスから降りる。

その結果、サムがみた夢のとおり橋が倒壊し多くの犠牲者が発生するがサムを含めた8人の社員が奇跡的に生き残る。

しかし死の運命が過ぎ去ったわけではなかった。

感想

ファイナルシリーズはこのルールだけ分かっておけばOK!

今作の最大の特徴は世界観ですよね。シリーズものとして何作かでていますが物語の流れ(ルール)は決まっていて

 

①冒頭で大事故がおきるが主人公がみた予知夢のおかけで数人が生き延びる

②事故で死ななかった主人公の仲間たちが次々と悲惨な死をとげてゆく

③主人公助かった! と思ったらやっぱり死亡!

 

上記①~③、これがすべてです。(笑)

 

この流れだけでよく4作品も作ろうという気になったなあという気がしないでもないですが、登場人物たちが死ぬための舞台がすこしずつ整っていく様子は見ていて結構ハラハラできて、なかでも一番はじめにキャンディスというキャラが死ぬシーンは飲んでいたコーラを吹き出してしまうほど滑稽なものでした。

 

一番よかった?シーン

 

体操選手であるキャンディスは練習会場にて恋人に

 

なんだか今日は嫌な予感がする

 

というめちゃくちゃ不吉なことを言います。ゲーム用語で「死亡フラグ」という言葉がありますが彼女の発言はまさにそれですね。

 

「じゃあこの日は練習をやめとこっか~」なんてなればいいわけですが、「死の運命」から逃れることはできないらしく、不安そうな表情をするキャンディスに向かって恋人は

 

大会前だから不安になっているだけ

さいころから毎日練習してきたんだ!自信もてよ

 

的な発言をして、キャンディスを励まします。これからキャンディスが悲惨な死をとげるとも知らずに・・・

 

で、ここから先は「死亡フラグ」ならぬ「死亡スィッチ」がどんどん設定されていって、何かをきっかにしてそのスィッチが「ON」になればそれによって登場人物たちが死ぬという流れです。

 

今回の「死亡スィッチ」は平均台の上に落ちた釘です。

 

平均台の上に釘があるなんて状況そうそうめったにできるわけないと思いますが死の運命の力によって「ぜったいありえんやろ!」という状況が静かに整っていきます。

 

平均台の上に釘があることに気付かず淡々と練習をするキャンディスをみて

 

踏め!そこに釘があるから踏め!

 

と無意識のうちに念じていました。

人によっては「釘を踏んじゃう!危ない!」なんてハラハラしながら映画を観るのでしょうけど、僕の場合は完全に逆で死亡スィッチがはやくONになるところがみたいわけです。

 

危機一髪、釘を踏まずに演技を終えるキャンディス。舌打ちする僕。

 

しかし平均台での練習を終えたキャンディスの足元に水が。

もちろんただの水ではありません。奇跡的な事象が重なって漏電したコンセントにふれた水なので、さわっただけで感電死です。

 

平均台の釘はミスリードで感電死かー」

 

なんて思っているとキャンディスは水の上にタオルを落としなんやかんやで死にません。

今作はこんな感じで

 

死ぬと思わせて→死なない

死ぬと思わせて→普通に死ぬ

 

という2パターン(結局最後は死ぬけど)があるのはなかなか憎い演出ですね。

じゃあキャンディスはどうやって死んだかというと

 

○ある選手が平均台の練習中に釘を踏む

 

平均台から堕ちた選手がすべり止めの粉をぶちまけてしまう

 

→たまたま会場は空調の調子がわるく扇風機をつけており、それによってすべり止めの粉が舞ってしまう

 

→キャンディスは鉄棒で練習しており、粉が目に入ってしまう

 

→大車輪中のキャンディスはそのまま手をはなしてしまい、着地に失敗して無事死亡!

 

事故か事件かを判断するために警察がきて現場検証をするわけですが

 

「こんな事故、絶対に起こりえるわけがない・・・・」

 

と言います。そりゃそうだろう。

 

僕の話になってしまいますが、小学生のころ僕の地域では「うんちスィッチ」というゲームが流行って?いました。

集団登校をしていたため朝、公園にあつまってから僕たちは小学校へ向かってとことこと歩きだすわけですが、その公園には大量の乾燥したうんちが落ちていました(近所のおばさんが猫にエサをあげていたため野良猫が大量発生していた)

で、「うんちスィッチ」というゲームは

 

いい感じにうんちを配置して、たくさんうんちをふませる

 

という最低なゲームです。

そこで僕は歩幅を計算してうんちを五個くらい右足、左足の順に踏むように配置していったわけですが、なかなかうまいこと踏んでもらえませんでした。来る日も来る日もうんちの位置をかえたり、草でうんちを隠したり試行錯誤した挙げ句、ついに僕の「うんちスィッチ」が発動する日が来ました。

 

「おい、忘れ物だぞ」

父が公園まで忘れ物を届けてくれた日のことです。

「あ。。。」

すでに時遅し、でした。

 

父は「うんちを踏む運命」にとりつかれていたのです。

リズムよく右→左→右→左→右の五連コンボがきまったのは奇跡的で、僕は友人たちから「うんち神」として崇められました。

「○○(僕のこと)君のお父さんが五連うんちコンボにはまったらしい!」

という噂が学校中に広まったとき、僕は誇らしいような悲しいような複雑な気持ちになりました。

 

小話

今作しか観ていないわけですが、どうやら第1作目と世界観がつながっているようですね。

映画のラストシーンでそのことがわかる部分があったので、第一作目も観てみようかな。相当暇だったら(笑)

 

ブログ作成時間:30分

頭の中だけに存在する携帯電話があったら、あなたは誰と話しますか? 映画感想「きみにしかきこえない」

365日映画カレンダー 10月2日 「きみにしか聞こえない

 

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昔の映画だからか、あまりいい画像がなかった・・・それにしても成海璃子の透明感はすばらしい!

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↑この予告動画みてもらえば分かると思いますが、主人公の演技は正直あまりうまくないと思う・・・

 

おすすめ度

世界観とストーリーはすごくいいです!

【おすすめ度は1が低評価。5が高評価。あくまでも独断と偏見による評価です】

 

【ざっくり感想】

頭の中に「携帯電話」があったら?

 

直接声にしなくても頭の中で考えるだけで相手と通話ができるからテストでもカンニングし放題だし、両手があいた状態で電話できるのも便利そう(笑)

 

主人公ふたりはある日とつぜん頭の中に存在する携帯電話を手に入れるわけですが、その携帯電話にはある「ルール」があって、物語が進むにつれてすこしずつその謎が明かされてゆくので飽きずに観ることができました。

 

作中で流れる、ドリカムの「君にしか聞こえない」もいい曲で、歌詞もすごくいい。

ひとつ難点をあげるとすれば、主人公ふたりの演技がいまいちだった・・・という点が気になりましたが全体的な評価としてはすごく良かったですね。

概要

人とコミュニケーションをとることが苦手な女子高生のリョウは、クラスメイトが携帯電話の話題で盛り上がっているのを遠くから眺めることしかできなかった。

そんなある日、リョウはおもちゃの携帯電話をひろう。

その日以降、リョウの頭の中で携帯電話の着信音が鳴り響くようになり驚くリョウであったが、頭の中の携帯電話はシンヤという男性とつながっていたのだった。

感想

キャラクターの設定もいいし伏線の回収もうまい

原作は「乙一」という作家の「きみにしか聞こえない CALLING YOU」で、小説の初版発行が2001年ということだから、ちょうど携帯電話の所有率が爆発的に増えてきた時期だと思います。

 

この時期くらいから「携帯電話」を題材にした作品って多かったですよね。ホラーだと「着信アリ」とか。

映画ってその時代のトレンドだったり社会情勢が反映されていることが多いから、映画を通じてその当時の日本の様子がすこし見えてきて面白いです。

 

さて、今作は頭の中にだけある実体のない携帯電話にまつわる物語になるわけですが、主人公ふたりの設定がすごく良かったですね!(ちなみに僕は原作も読んでいますが、原作よりも映画の設定の方が良かった)

 

まず一人目の主人公である「相原リョウ」(成海璃子)は幼いころにおきたある出来事が原因で自分に自信がもてず、家族やクラスメイトたちともうまくコミュニケーションがとることができません。自分に対するコンプレックスが強く、例えば国語の授業中では大きな声で音読することができなかったりします。

 

一方、もう一人の主人公である「野崎シンヤ」(小出恵介)はリサイクルショップで働いているのですが、彼は幼いころより耳が聞こえず、またそれにより声も出せません。しかし頭の中の携帯電話では自分が考えたことが声となってリョウに伝わるし、また声もしっかりと聞きとることができるためシンヤにとってリョウとの電話はかけがえのない存在になっていきます。

 

シンヤは耳が聞こえないこと、しゃべれないことはリョウに黙っておきます。

実はこれがちょっとした伏線になっていて、それがすごくいい!

頭の中の携帯電話では考えただけでそれが声となって相手に伝わるので、まさかシンヤがしゃべれないなんてなかなか思いつかないですよね。

 

本作ではちょっとした設定が伏線になっている部分が他にもいろいろあって、物語が進むにつれて「そういうことだったのかー!」と驚かされます。

 

一番よかったシーン

映画の話から少しそれますが、みなさんは「進研ゼミ」の広告漫画を読んだことがありますか?

小学生くらいだったかな?

気がつくとポストの中に入っていて、結構おもしろかったのを覚えています。

 

ストーリーの展開はいつも大体同じで

 

・さえない主人公(勉強× 恋愛× 部活×)が・・・・

 

→主人公が進研ゼミを始めると・・・

 

勉強、恋愛、部活、すべてが嘘のようにうまくいって・・・

 

→「進研ゼミにはいってよかったー!」で終わり(笑)

 

勉強がうまくいくのは分かるけど、どうして恋愛&部活動までうまくいくんだよ・・という疑問は小学生の当時でも抱いていましたが、よく分からんけどいけいけハッピーな展開は僕的には結構好きです。

 

リョウとシンヤは頭の中の携帯電話をつかってコミュニケーションをとるようになるわけですが進研ゼミよろしく、二人の人生が一時的にいけいけハッピーになるのは映画をみていてほっこりしました。

 

本当にちょっとしたきっかけで人生は前向きに動き出すのかもしれませんね・・・進研ゼミの漫画はそういうことを言いたかったのかもしれません(笑)

 

小話

mitoramu.hatenablog.jp

上の記事で紹介した「くちびるに歌を」原作者は「中田永一」という作家さんで、実は今回僕がみた「きみにしか聞こえない」の原作者「乙一」と同一人物なんですよね。

 

要するに別名義で小説を書いているということです。

 

僕は学生時代から「乙一」さんのファンで、デビュー当初は残酷な物語を書いているイメージでしたが、かと思えば今作みたいにあたたかくて優しい物語も書けて、作品ごとに作風が全然ちがうのでファンの間では残酷な物語のときは「黒 乙一作品」、そうではないときは「白 乙一作品」なんて呼ばれています。

 

今作(小説版)なんかはまさに「白 乙一作品」なわけですが完全なハッピーエンドではなくて、「なにかを犠牲にするけど登場人物が精神的に成長する」という展開にもっていくのが乙一のにくいところです。

「残酷さ」と「感動」のバランスが絶妙で、「悲しいけど心温まる」という不思議な感覚につつまれるんですよねー。

 

原作を読んだことがないという人はこれを機会に原作を読んでみてはいかかでしょうか?

原作と映画では設定が違っていて、映画を観たあとに小説を読んでも十分に楽しめると思います。

 

というか、面白いから是非よんで!(笑)

  

ブログ作成時間:30分

泣ける! アンジェラアキの名曲「手紙」を歌う、少年少女たちの物語 映画感想「くちびるに歌を」

365日映画カレンダー 9月30日 「くちびるに歌を

 

 

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ガッキーは割とクールで淡泊な先生を演じる

 

[:contents] 

おすすめ度

おすすめ度

 

*おすすめ度は1が低評価。5が高評価。あくまでも独断と偏見による評価です

ざっくり感想

15歳の自分にあてた手紙を通して、登場人物たちが自身の悩みに立ち向かう、少年少女たちの一夏の思い出を描いた物語。舞台となる五島列島の景色もとても美しく、登場人物たちの抱える葛藤をきめ細やかに美しく描けていて良作だった。

あと、今作での役柄のゆえにだと思うけど、新垣結衣はそれほど可愛いと思わなかった(笑)

 

概要

 舞台は長崎県五島列島のとある中学校。

合唱部顧問をしていた松山ハルコは産休にはいるため、かわりに同級生で元プロピアニストである柏木ユリが一年間の期限付きで講師をつとめることになる。


もともと女子部員しかいなかった合唱部にユリ目当ての男子部員が入部するが、NHK国学校前音楽コンクールを控えているため女子部員たちは焦っており、真面目に練習しない男子部員と軋轢が生じる。

そんななか、ユリはコンクールの課題曲「手紙」の歌詞の理解を深めるために、将来の自分に向けて手紙を書くという宿題を課すのだった。


感想

原作は中田永一による「くちびるに歌を」であり、僕は中田永一の大ファンなので映画を観るにあたって小説の世界観がどのように再現されているのかを気にしながら映画を観ました。感想としてはキャラクターひとりひとりが細かく描かれていて原作を読んだコトがある人でも安心して観ることができる完成度だと思います。

 

印象的だった登場人物について

今作で一番いい味を出していたキャラクターは桑原サトルという少年で、彼は「ぼっち上級者」なわけですが、その内面には誰にも話すことができない悩みを抱えています。

ちなみに下田翔太という俳優さんが演じていて、見た目からして弱々しい外見をしているのがよかったですねー。

 

今にも泣き出しそうな顔をしていて、サトルのイメージ通りって感じ。(下の画像だと前から三番目の男の子)背もやたら小さいし、映画が違えば「絶対にいじめられっ子だろうな」という弱々しい外見をしています。

 

さらに加えて、声変わり前なのか、女子みたいに綺麗な声で歌うシーンもあって、サトルの繊細さがとてもよく表現出来ていたと思います。

 

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舞台は長崎県五島列島。行ったことがないので是非行ってみたい!


さて、そんなサトルですが内面に抱える葛藤は中学生にしてはあまりにも大きすぎて、自分ではどうしようもできないものです。

 

サトルの悩み、それは「自分はなぜ生まれたのか?」についてです。

サトルは

 

自分は、兄の世話するためだけにこの世に生まれてきた

 

と本気で信じています。

 

サトルの兄アキオは生まれついての自閉症であり、両親は自分たちが死んだあとに誰もアキオの面倒を見る人がいなくては困るからという理由で、もう一人子どもをつくることを決心します。

 

う、うーん・・・・すっごくヘビィな悩み。

中学生にはちょっと重すぎる内容ですよね・・・

 

僕自身も次男であり兄がいるわけですが、こんなことを両親から聞かされたら絶対にいやだろうなぁ。

 

さて、作中ではサトルたちが所属する合唱部は「NHK全国学校音楽コンクール」に出場するわけですが、コンクールには課題曲があってそれはアンジェラアキの「手紙~拝啓十五の君へ~」です。

 

曲の理解を深めるために新垣結衣演じる柏木先生は「未来の自分へ向けて手紙をかく」という宿題を課します。

 

先述したアンジェラアキの「手紙」という曲は「15歳の"僕"が悩みを未来の自分に宛てて書く」という内容の曲で、サトルは"今"自分が抱えている悩みを将来の自分に宛てた手紙の中に綴るのですが・・・・それがあまりにも切ない内容となっています。

 

自分の人生は決まっています

僕の創造主である父の意思のままに

でも、たまに、みんなのことがうらやましくなるのです

生きている理由を、これから発見するため、島を出て行くみんなのことが

僕の出生のように、計算ではなく、純粋な愛情によって生まれてきたみんなのことが

 

一生兄の世話をして生きていくことを覚悟しながらサトルはこの文章を書いているわけですが、中学生ということもあり、まだ「迷い」が文面から読み取ることができます。

15歳の時点で自分の未来が確定しているってあまりにも残酷すぎるし、悲しすぎると思いませんか?

 

このようにめちゃくちゃ暗い一面を持っているサトルですが、部の仲間たちと「合唱」をしていくなかですこしずつその心境が変化していくところが今作の見所だと思います。

 

一番印象的だったシーン

やっぱり最後の合唱シーンですね。

 

歌詞そのものが作品の雰囲気にすごくあっていてよかったし、役者さんたちが涙ぐみながら歌っているシーンもグッとくるものがありました。やっぱりこういう青春物っていいなーって感じがしますね。

 

「手紙」の歌詞の中でも特に気に入っている部分があって

 

今 負けそうで 泣きそうで 消えてしまいそうな僕は

誰の言葉を信じ歩けばいいの?

ひとつしかないこの胸が

何度もばらばらに割れて

苦しい中で今を生きている

今を生きている

 

もうまさに登場人物たちの悩み苦みながら必死にもがいているシーンそのものなんですよねー。

部員たち全員が一致団結して、それぞれの声が音となって、さらに音楽となって会場内に響きわたるシーンは本当に良かったです!

これぞザ・青春って感じ。

 

ちなみに僕の話になってしまいますが前職は県立高校の教師をしていて(職場環境がブラックすぎて辞めた)

学校行事のなかには「合唱コンクール」 なんてものがあるわけですが教師目線でいって

 

合唱コンクールというイベントは大嫌いでした

 

なぜかというと、男子生徒は全然歌わない。これが苦痛でした。

まじで歌いません。

ボールとほうきがあればそのへんで勝手に野球をはじめたり、ふざけあってガラスとか平気で割ったりしてました。

軽い殺意が何度も湧きました。(笑)

 

僕が学生だったとき、歌はそんなに好きじゃなかったけど「みんなで歌おうよ!」っていう雰囲気になったら一応それなりに協調性をみせて歌ったけどなー。そう思っているのは僕だけで、当時、僕の担任をしていた先生たちも

ぶっ○○してぇ

なんて思っていたのかな。

だとしたら、ごめんなさい・・・もう遅いけど。

 

そんなこともあってガッキーがラストのシーンで生徒たちに向かって

「あんたたちのことは正直に言って、最初は嫌いだった」

というシーンがあるのですが、僕はそのとき

 

めっちゃ分かるわぁ

 

と一人で共感してしまった。(笑)

 

小話

ガッキーは今作では元プロピアニストという設定なわけですが、彼女自身、ピアノの演奏なんてしたことがなかったそうです。

 

そのため、撮影に入るまでの六ヶ月の期間を使ってピアノの猛特訓をしたんだとか。その成果があってか分からないですけど、作中でガッキーがピアノを弾くシーンはかなり様になっていてかっこ良かったです!

 

役者っていいよなー。映画の役作りのためにいろんなことに挑戦できて。

 

ブログ作成時間:30分

玉城ティナのアゴが気になって仕方がなかった! 映画感想「悪の華」

365日映画カレンダー 9月29日 「悪の華

 

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思春期だからといってもさすがにこれはやりすぎだと思うけど。。


9月27日に公開されたばかりの映画「悪の華」を公開初日にみてきましたー。

ちなみに「悪の華」というタイトルはボードレールという詩人の詩集からつけられたものらしいです。

 

映画を観たわけですが、物語の内容がいまいち自分の中に落とし込めていなかったので原作(11巻まで出ている!)を土日をつかって全巻一気読みしました。

金曜日時点ですぐにブログに感想をあげたかったけど漫画にはまってしまいそれどころではなかったです。(笑)

 

原作を読んでみると「あの描写にはそういう意味があったのか!」とか映画と原作の違いに気づけてより深く映画の内容を知ることができました。

 

さて、映画の感想としては「よかった」です!

 

「思春期」の、言葉では言い表せないような不安定な感情をテーマにしているため、映画のシーンだけでは「今のはどういう意味なんだろう」という描写もありましたが、まあそういう「よく分からんけどイライラする」っていうのが思春期独特の感情ですからね。全体的に抽象的な表現が多かったですけどそれも仕方がないことでしょう。

 

うーん・・自分が中学生だったころを思い出してみてもよくわからんけどやたらイライラしていたなー。

 

映画では登場人物たちが「向こう側に行くんだっ!」とティーンエイジャー丸出しの発言をします。

そんな登場人物たちの切実な想いを、「俺もこんなときあったなー」と想いながら映画を観ている時点で、すっかり歳をとってしまったなーと思う今日この頃。

 

でも中学生とかがこの映画をみて「わかるわかるー」となるんだろうか。ならないような気がする。

 

さて、それでは映画の感想です。

 

概要

閉鎖的な田舎町での生活に嫌気がさしていた文学好きな少年、春日はある日、クラスのマドンナである佐伯の体操服を盗んでしまう。

罪の意識に苛まれる春日であったが、真実を明かしてしまえばクラスメイトからは変態扱いされることを恐れ、本当のことを言えずに悶々とした日々をすごしていた。

体操服を盗んだ現場を誰にも見られていないと思っていた春日だったが、同じクラスメイトである仲村にその現場を目撃されてしまっていた。

仲村は体操服を盗んだことを他の人にばらさない代わりにある「契約」をしようと春日に持ちかける。

感想

作品のテーマは?

今作ではざっくりまとめると以下のようにストーリーが展開していきます。

 

・春日はクラスのヒロインの体操着を意図せずに盗んでしまう

・その様子をクラスメイトである仲村にみつかってしまう

・下着を盗んだことをバレされることを恐れた春日は仲村と「契約」する

・仲村は春日に対して「変態的な命令」をくだす。

 

ブログ冒頭に貼った予告動画では上記の「仲村が春日に対して変態的な命令を下す」部分がかなりクローズアップされていますが(まあその方が予告としての効果は高いのだろうけど)、実際には映画のテーマって

 

思春期に抱く葛藤に対して、若者たちがどのように向き合うか?

 

だと思います。

で、思春期の葛藤というやつは本当にやっかいで「言葉に言い表せない」複雑なものだと思うんですよね。

 

現に作中で春日は仲村と交流を深めるなかで家族との関係がすこしずつ悪化してしまうのですが、そのとき春日の両親は

我が子が何を考え、何に悩んでいるのか

が全く分からずに苦悩します。(このへんは中学生くらいの子どもをもっている親だったら共感できるんだろうな。)

 

特に仲村の抱える葛藤に関しては本当によく分からず、おそらく彼女自身もよくわかっていないからこそ悩んでいるのだと思います。

 

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お、おう。。。。と言いたくなるような仲村さん語録

この葛藤が作中ではBGMや映像表現によって綺麗に抽象化されて表現できていたのがよかったですね。

特に二人で夜の学校に忍びこんで教室をめちゃくちゃにしてしまうシーンは一種の芸術性があって印象的なシーンでした。

 

玉城ティナはすごくよかった

これまでの玉城ティナのイメージって僕のなかでは「華奢で、弱い、普通の女の子」だったんですよね。

 

そのように思う理由としては、玉城ティナはモデル出身ということもあると思うし、彼女がこれまで主演してしてきた映画、例えば「貞子VS伽耶子」、「ダイナー」なんかでは普通の女の子の役を演じてきたからだと思います。

 

しかし今作「悪の華」では、白紙でテストを提出したことに対して怒る教師に対して「クソムシが!」なんて履き捨てちゃうようなエキセントリックな女の子、仲村佐知を演じます。

今作では仲村さんはかなり重要なキャラクターになるわけですが玉城ティナは見事に演じ切っていましたねー。

 

超美形の玉城ティナ

 

あなたの皮を全部、一枚のこらずはいであげる」とか

体の下の方の中の方が 叫び声をあげたくなるほど モヤモヤしているの」とか

せっくすせっくす! 結局クソせっくすがしたいだけ!

 

なんて言うだけで不思議とエロスがあるんですよねー。

映画を観ながらなんとなくどきどき、はぁはぁしてしまいました。

 

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ちなみにこのシーンでは、彼女は下着をはいていません・・・

玉城ティナの目ってすごく力強くて、ただじっと見つめるだけでも妖艶な雰囲気があってかなりよかったです。

 

あと声が透き通っていて、セリフのひとつひとつはかなり汚いことを言っているんですが、なぜかそれほど汚いとは思えてこないから本当に不思議。

 

あと僕はM属性なんて全くないと思っていましたが、今作を見ながら「こういうプレイも悪くないな」と、新たな扉を開きそうになりました。(笑)

 

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原作の主人公 春日君は仲村さんに蔑まれてズキューンとなってしまう

 

玉城ティナアゴがどうしても気になる

映画がはじまってすぐに玉城ティナがでてくるので

「かわいいな~」

と鼻の下を伸ばしながらおっさん丸出しで映画を観ていたわけですが、しばらくして僕はとんでもないことに気がついてしまいました。

 

それは・・

 

玉城ティナアゴ、しゃくれていないか?

 

という本当にどうでもいい感想です

 

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この角度だとよく分からないけど、かなり鋭角なアゴを持っている


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↑の動画でも分かるんですが、アゴがかなりシャープすぎて、映画の上映中、ずっと気になっていました(笑)

 

自然にできたアゴだとしたらそうとうシャープだと思う・・。整形したのかな。

まあいずれにせよめちゃくちゃかわいいからなんでもいいけど。

基本的にすごくかわいいのだけど見る角度によってはすこし妖怪っぽく見えて、正直怖かった。(玉城ティナのファンにめっちゃ怒られそう)

そんなことを気になるのは僕だけ?

 

原作も是非みるべし

原作も絶対にみた方がいいと思います。

全部で11巻あるのですが当然ですけど映画よりもかなり丁寧にキャラクターの心情が描かれているので、より作品の理解を深めることができると思います。

 

1巻の時点では正直「あまり絵がうまくないし、ちょっと苦手かも・・・」

 

と思っていましたが、最終巻にちかづくにつれて作者の画力もかなり上がって、キャラクターの心情を描くのもすごく上手になっていることも見所のひとつです。

あと原作のラストシーンは映画よりもよかったと思う。

 

ブログ作成時間:20分

 

福田組作品! ちょっと昔の山田孝之もやっぱりヒゲが濃い! 映画感想「大洗にも星はふるなり」

365日映画カレンダー 9月26日 「大洗にも星はふるなり

 

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福田雄一監督の「大洗にも星はふるなり」を観ました。

 

ところで今作は同監督による舞台作品がベースになっているみたいですね。

2006年に舞台になって、その後2009年に映画化されたようです。知らなかったー。

 

もとが舞台だったということも理由でしょうけど、今作は普通の映画とはすこし構成が変わっていて、登場人物たちは海の家でずーっとおしゃべりしているだけです

シーンもほとんど変わらず、ひたすら薄暗い海の家で男たちがワイワイとしゃべり倒す映画です。

若い人が観るとある程度笑うポイントがあって楽しめるかもしれないけど、年配の人からすると退屈に感じてしまうかも・・。

 

登場人物は個性的だし面白くなる要素は結構あるはずだけど、あまり生かし切れていなかったのが残念ですね。

 

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山田孝之のヒゲが濃すぎて映画にあまり集中できなかった

 

概要

ある冬の日、杉本(山田孝之)のもとに夏にアルバイトをしていた茨城県大洗の海の家のマドンナ・江里子(戸田恵梨香)から「イブの夜にあの海の家で会いたい」という手紙が届く。

杉本はイブの夜に海の家へ向かうが、そこには同じように江里子から手紙をうけとった4人のバイト仲間たちがいた。

同じ内容の手紙が届いていることに驚く5人であったが、「自分こそが江里子の本命」と互いにアピールしはじめる。

 

感想

舞台だったら面白い

登場する俳優は個性的で

 

・ストーカー気質の杉本(山田孝之

・浮気願望がある猫田(ムロツヨシ

・ハイテンションな仁科(小柳友

・天然ですぎ聞き間違いをする林(白石隼也

・おじゃじギャグが好きなマスター(佐藤二朗

バツイチ弁護士、関口(安田顕 

 

この5人(+弁護士の関口)がひたすらしゃべり続けるだけでもそこそこ面白いのですがやっぱり映画としては物足りないかなという気がします。

 

舞台と映画の大きな違いは距離感だと思うんですよね。

舞台はお客さんのすぐ目の前で、さらにリアルタイムの生の演技を見せるわけですから距離感としては「近く」、逆にそういった意味では映画は完成された作品を僕たちは後から観るわけで、作品と観る人の距離は舞台に比べると「遠い」といえるでしょう。

 

今作みたいに登場人物たちの会話中心に進むストーリーは舞台の方が相性いいんでしょうね。

 

正直、僕は最初この映画をみたときに「もとは舞台作品だった」ということをしらなかったので純粋に制作費をケチったのかなと思いました。

 

ヒロインの魅力がまったく伝わない

今作は海の家のバイト仲間でヒロインでもある江里子ちゃんを男たちが奪い合うストーリーであるといっても過言ではないわけですが、残念だったのがそのヒロインの一体なにが魅力的なのかまったく伝わらなかったところです。

 

戸田恵梨香をだしときゃとりあえず、「かわいいー!」ってなると思ったのかもしれませんが、戸田恵梨香の演技だけではちょっと説得力なかったですね。

もうすこし特別なエピソードをいれて江里子ちゃんがいかに魅力的であるかを説明してほしかったかな。

 

それか、戸田恵梨香を出演させない(ヒロインを登場させない)っていう手もあったと思うんです。登場させなければ観る人が勝手に自分の頭の中で江里子ちゃんを想像するだろうし。

このような理由で僕的にはヒロインを登場させるべきではなかったと思うのですが、その逆に登場させてほしかったキャラもいて、それはムロツヨシ演じる猫田の彼女です。

 

猫田の彼女は同じ海の家で働くバイト仲間で、江里子ちゃんが人気者な一方で、その子は他のバイト仲間から「ブス」と言われてしまいます。猫田は彼女と付き合っていることを隠していたのですが結果的にバレてしまい、他のバイト仲間からさんざんバカにされてしまいます。

僕的には猫田の彼女はどれだけブスだったのか興味があって、江里子ちゃん役のヒロインを出すくらいだったらこっちのブスな子をだせばよかったのになーと個人的に思いました。

 

福田組」の俳優さんたちの演技って少し飽きないか?

福田組」なんて呼ばれるほど、福田監督お気に入りの俳優がいて

 

山田孝之

ムロツヨシ

佐藤二朗

安田顕

 

ここらは定番メンバーで、あと

 

長澤まさみ

・橋本環奈

小栗旬

 

なんかも福田監督作品によくでているなーっていうイメージです。

 

どの俳優さんたちも個性的ですばらしい才能をもっていると思うのですが、「ムロツヨシ」と「佐藤二朗」なんかは演技が毎回同じで自分のなかですこし飽きてしまいました。だいたいどの映画、ドラマ、コマーシャルをみても同じような演技をしていません?

 

別に二人がダメだといっているわけではなくて、もっと違うキャラを演じさせてあげればいいのに、という意味です。

 

佐藤二朗なんかはかなり渋い演技も非常に上手で、福田監督の「50回目のファーストキス」では病気の娘のために主人公(山田孝之)を激怒するシーンがあったのですが、すごくいい演技でした。

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娘のために真剣に怒る佐藤二朗の演技はアツかった!

個人的には「福田組」って結構トゲのある表現だなって思っていて

 

毎回同じような俳優さんをつかって

友達同士のなれ合いみたいな映画をつくっている

 

という嫌味も間違いなく含まれていると思うんですよね。

 

いつも同じような俳優さんがこちらが期待するように同じような演技をするのはもちろん悪いことではないですが、ちょっとくらい変化球みたいな作品を観たいなーと今作を観ていて思いました。

 

まとめ

映画の時間も100分と短いくて観やすいし、なにより誰も傷つかない作品なのでそのへんはおすすめできる映画ですね。

 

ところで

youtu.be

 

スピンオフとかみると「俳優さんたちが仲良しなんだろうな」という感じがすごく伝わってきてほっこりするのですが、ちょっとなれ合いっぽい感じもしなくはない。内輪で楽しんでいるだけに見えてしまう・・。

そんなふうに思えるのは、僕が性格悪いだけなのかな・・?

 

 

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