かなり激しめの嫁、姑問題! 映画感想「マレフィセント2」
365日映画カレンダー 10月22日 「マレフィセント2」
おすすめ度
5:マレフィセントのある意味、人間よりも「人間らしい」悩みがすごく共感できて、ストーリーもよかった!
【おすすめ度は1が低評価。5が高評価。あくまでも独断と偏見による評価です】
概要
感想
アンジェリーナ・ジョリーの頬骨について
映画には直接関係ないことだけど、マレフィセント役のアンジェリーナ・ジョリーの頬骨がめちゃくちゃ気になってしまった。
下の画像を見てもらえればなんとなく僕の言いたいことが分かってもらえると思うし、映画館に行けばほぼ100%の人が同じようにアンジーの頬骨に目がいくと思う・・・
しかし、どうなってんの?これ。
皮膚の内側からシャーペンでグィッ!って押し上げたみたいになってんだけど・・・やだ・・・こわい・・・
ディズニーは最近、実写化が好き??
ディズニーが実写化に力を入れ始めたのはいつからなんでしょうかね。最近だと「アラジン」「ライオンキング」が実写化されて、そのどちらも観にいきました。
正直映画を観る前はストーリーはほとんど変わらんのだからいちいち実写にする必要ないんじゃないか?って思っていました。「アラジン」だとアラジンやジャスミンのビジュアルがアニメのイメージと離れているだけで映画を観る人は違和感を覚えることになると思うので、実写化って結構リスクがある、というのが僕の考えでした。
しかし映画を見始めると実写ならではのよさがあって、具体手的には「アニメよりも対象年齢が上がる」ってことがあげられます。
アニメってだけで大人は見る気が失せてしまう人もいるかもしれないけど、実写なら子どもも大人も楽しむことができると思います。実際、アラジンもライオンキングも親子連れが多かったし。*
(*:しかし今のちびっ子たちってアニメ版「アラジン」「ライオンキング」見たことあるのか?僕が小さいころだと朝の時間帯にアニメ版のアラジンがやっていたけど。なお、ランプの魔神であるジーニーの声は山ちゃんこと山寺宏一だった)
1を観ていなくてもOK
さて、実写化の流れが強いディズニーですが、今作は前作「マレフィセント」を観ていなくても映画の内容は理解できます。僕自身も前作は観ていなかった。なので「1を観てないぜ」って人は2→1って流れでも全然大丈夫だと思います。
ただ、ある程度の知識はあった方がいいと思うので、最低限の「これだけは」って情報を列挙したいと思います。自分はまったく情報がない状態で映画を観たので
「あれ、眠れる森の美女ってこんな話だっけ?」
ってなる場面がちらほらあった。
以下、設定についてあれこれ。
「マレフィセント」は「眠れる森の美女」に出てくるヴィラン
まあこれはさすがに説明不要かもしれませんが一応。あと「ヴィラン」って言葉ですが、要するに「悪役」って意味です。アメコミなんかだとラスボスのことを「スーパーヴィラン」なんて言います。悪役でいいじゃん、と思うかもしれませんが響きがかっこいいのでなんとなく使ってみました。(笑)
「眠れる森の美女」と世界観は同じだが、マレフィセントの性格は全く別物
「眠れる~」ではマレフィセントは完全な悪役として描かれていますが、映画「マレフィセント」「マレフィセント2」では彼女はもともと心優しい妖精であり、純粋な心をもっていた、という設定です。
ところが恋におちた人間がクソやろーだったせいもあり、人間不信になり結果的に冷たい心を持つようになってしまったようです。
それにしても、マレフィセントって妖精だったんだ・・(笑)どうみても妖精には見えないルックスをしているけど・・
マレフィセントがオーロラ姫にかけた呪い
「16歳の誕生日の日没までに糸車の針に指を刺され、死の眠りにつく」
呪いをかけた本人ですら忘れてしまいそうなほどめんどくさい設定ですね。
「タンスの角に小指をぶつけて死ね!」的なノリなんでしょうか・・・・
この設定を僕はまったく知らなくて、映画を観ていて糸車が登場するシーンがあるわけですが、意味が分からなくて「??」ってなってしまいました。
糸車がおもった以上に立派なつくりで僕は最初「弓矢かなんかが飛び出る武器かな?」と真剣に思っていました。(笑)
指に刺さる、とかそういうレベルの針じゃなくて、人間の体ごと貫きそうなレベルの立派な糸車の針でした。
マレフィセントとオーロラ姫の関係
上記の呪いをかけられたオーロラ姫は3匹の妖精たちによって育てられますが、その妖精たちは「子育てのいろは」をまったく知らないため、子育ては難航します。その様子をちかくで観察していたマレフィセントですが
「呪いが成就するよりも前に死んでまうやんけ!」
と大慌て。
呪いをかけた本人ですが、魔法を駆使して影ながらオーロラ姫の世話をサポートします。
そんなことをしているうちにオーロラ姫に情が移ってしまい、そしてオーロラ姫もマレフィセントを本当の親のように慕います・・・・・。ってのが前作までのストーリー。
要するにマレフィセントとオーロラ姫は「血はつながっていないけど親子の関係である」と分かっていればOKだと思います。
さて、映画の設定についてはこれくらいにしてもうすこし具体的に映画の感想を綴って生きたいと思います。
情緒不安定ぎみなマレフィセントがかわいい
今作の見所はマレフィセントの悩み、ですかねー。母親としてどうあるべきか、ということでマレフィセントは終始悩み、結構落ち込んだりします。
その様子はまさに人間そのもので、観ていて同情できる部分が多かったですね。まあ僕は子どもいないんですけどね!
さて、映画冒頭からいきなりフィリップ王子に「結婚しよう!」とプロポーズされるオーロラ姫。大喜びのオーロラ姫ですが、フィリップ王子が
「そんじゃーお互いの両親で顔合わせんとあかんな!」
と口にした瞬間、オーロラ姫の顔から笑顔が消えます。
「うちの母親・・・結構強烈やで・・・」
フィリップ王子からプロポーズされたことをマレフィセントに告げるオーロラ姫。
当初はふたりの結婚に大反対のマレフィセントでしたが愛する娘の幸せを願っているため
「めちゃくちゃ嫌だけど」
フィリップ王子の両親と顔合わせすることを承諾します。
そのときのマレフィセントがオーロラ姫には頭があがらない、って感じが母親っぽくてなかなか可愛かった。
向こうの親への挨拶をこっそり練習したり、オーロラ姫に
「角なんて生やしていたら向こうの両親が怖がるから角隠してや!」
とオーロラ姫に言われたときは少し寂しそうにしたり、本当にちょっとしたことで傷つきます。
映画を観ている僕たちは
「この顔合わせ、うまくいかんのだろーな」
と思うわけですがもちろんうまくいきません。
というのもフィリップ王子の母親(今作のスーパーヴィラン)がめちゃくちゃ嫌なやつで、ねちねちねちねちマレフィセントに嫌味を言ってきます。
最初は我慢していたマレフィセントですがついに我慢の限界に達し、魔法で周囲をぶっとばして城から飛び出してしまいます。
そのときオーロラ姫も一緒に来るように促しますが、彼女はマレフィセントと一緒に行くことを拒みます。
うーん・・・まあ普通にマレフィセントが可哀相でしたね。
城につくまでの過程で街中の人たちから嫌悪の視線を向けられるシーンでは
「マレフィセント(妖精)と人間の共存は不可能なんだ」
と感じられましたし、人間を憎むマレフィセントですが、唯一信じていたオーロラ姫が自分ではなく人間の男を選んだ、ということも彼女にとってはショッキングだったと思います。
実はそのむかしオーロラ姫はマレフィセントとずっと一緒に暮らす、ということを約束していて、その約束がなかったことになっているのも彼女にとってはつらかったでしょうね。
マレフィセントはもともと心優しい妖精だった、という設定にあるように要するにマレフィセントの心は非常に純粋で、それゆえにちょっとした裏切りや嘘にも深く傷ついてしまいます。
なお、アンジェリーナ・ジョリーの演技はさすがで、「気丈にふるまってはいるけど、内心では深く落ち込んでいる」表情が本当に見事でしたねー。アンジー自身も母親だから、マレフィセントに共感できる部分が多かったんだろうな、と勝手に推測しております。
全体的にはすごくよかったけど、ラストだけはすこし納得がいかなかった
今作のテーマのひとつとして
「自分たちとは異なる存在を許容できるか」
というものがあると思います。
今作では
「妖精」と「人間」
が争うシーンがあって、まさにこのテーマに関して映画内で一応答えを出そうとしてくれるわけですが・・・
問題というか、僕的にすこし納得がいかない点は作中で人間軍と妖精軍は「割と激しめの戦争」をします。それこそたくさんの犠牲者が出ているだろう規模の戦争をします。
それなのに・・・
①戦い開始!
②たくさんの犠牲者がでる
③戦い収束
④オーロラ姫&フィリップ王子の結婚式開催!
①~④までを一日のうちに行ってしまうのが納得できませんでした。人間軍、妖精軍、それぞれ自分たちの仲間がおそらく何人かは死んでしまったであろうはずなのに
「これからは妖精も人間も共存すっぞー」
という一言だけで
「そうですね」
と、なるのか???
人間と妖精の争いの歴史は作中では結構長く続いているはずなのに・・・割とあっさり解決してしまった感が否めなかったなぁ。
なんかそのへんはディズニー映画の「甘っちょろい」部分が色濃く出てしまったような気がする。
ファンタジーの世界観をせっかく実写映画にしたんだから「人間の醜さ」は最後まで一貫して表現してもよかったんじゃないかなと思う。
ラストを除けば割と今作はそういった「人間の醜い部分」を表現しれくれていただけに残念だったですね。
が、それを除けば全体的な映画の完成度はすばらしかった。ブログのなかでは触れなかったけどさすがディズニーだけあって映像は本当に美しいです。妖精たちはまるで本当に生きているようだし、草や花、水も透明感があって絵本のなかの世界を見事に再現できていたと思います。
非常におすすめ映画なので、是非多くの人たちに観てもらいたいです。
ブログ作成時間:40分
泣きたいのはこっちの方だよ 映画感想「泣き虫ピエロの結婚式」
365日映画カレンダー 10月16日 「泣き虫ピエロの結婚式」
おすすめ度
2:THE・王道お涙頂戴ストーリー
【おすすめ度は1が低評価。5が高評価。あくまでも独断と偏見による評価です】
概要
YouTube のコメント欄を見ると「予告だけで泣いた!」っていうコメントが結構ありました。
どうやら泣けるらしいです。
というか、これでどうやって泣けるんですか?
感想
王道をゆく「病死系」映画だったけど、ひとひねりは欲しかった
原作はノンフィクション小説らしいですけど原作は未読です。
タイトルの「泣き虫」、「結婚式」という単語から「ヒロイン病死系」映画のにおいがぷんぷんしたので今作を観たわけですが、まず残念というかすこし驚いたのが、まさかの「ヒロイン病死系」ならぬ、「ヒーロー(男の主人公)病死系」の映画でした。
男性の方が死ぬってパターンは意外にめずらしいな。
といっても死ぬのが女性か男性かだけの違いで、物語のパターンは他の映画とだいたい同じなんですけどね。(笑)
今作もちゃんと「病死系」映画の王道をつらぬいていて、観るひとたちをなんとか感動させようと頑張ってくれるわけですが・・・・うーん、なにかひとつくらいは工夫というか、オリジナリティが欲しかったですね。
さっそく今作の設定を見ていきましょう。
ふたりの主人公の設定
主人公(男)
透析患者(血液の病気らしい)であり、小さいころから病院に通っている。
病院に行くときはいつも憂鬱で暗い気持ちになっていたが、その道中、クラウン(ピエロのこと)になるべく大道芸の練習する主人公(女)をみつけ、その優しい笑顔にいつしか心惹かれてゆく。
主人公(女)
クラウン(ピエロっていうと主人公は「違う!」と言って怒る。めんどくさい)になるために日々大道芸の練習に励んでいる。人を笑顔にすることがモットーであり、また
All for you
It's my pleasure (あなたの喜びはわたしの喜び)
と、知り合って間もない主人公(男)に何の恥じらいもなく上記のセリフを言ってしまうようなちょっとイタい子。
なるほど悪くない設定だとはおもいますけど、主人公がクラウンを目指しているっていうことをもっと上手に生かしてほしかったです。
主人公(女)の考え方に主人公(男)が惹かれたことにより二人の仲が深まっていくわけですが、物語としてそれほど大事件がおきるわけじゃないし、ふたりは険悪な雰囲気になっても割とすぐに仲直りしてしまうから、観ているこっちとしては盛り上がりポイントが少なかったのも残念。
山あり谷ありがあってこそ最後に感動することができると思うんですよ。物語に起伏(仲が深まるような事件とか)があると良かったです。
まあ誰かが「死んでしまう」って自体、めちゃくちゃ大きな出来事なんですけどね・・(笑)しかし映画において、人の死は日常茶飯事ですから。
付き合ってからプロポーズされるまでの平均期間、どれくらいか知ってます?
突然ですが
付き合う→プロポーズまでの平均期間ってどれくらいなんだろう、ということが気になったので調べてみました。あるサイトによると
1位 3年~5年
2位 6ヶ月~1年
3位 1年~2年
という結果がでたそうです。なかなか面白いデータですよね。
そもそも何歳を対象にとったアンケートなのかも記載してなかったので信憑性は高くないと思いますが、1位が3~5年というのは僕的には納得といった感じ。
やっぱり結婚ってかなりの一大イベントだと思うし、相手のことをじっくりとみて「この人なら」と思える人と結婚したいじゃないですか?
で、なんでこんなことを調べたかというと、今作ではびっくりするくらいソッコーでプロポーズするんですよ。(笑)
映画時間(映画は全体としては90分)で言ってしまえば
映画開始40分:ふたりが付き合いはじめる
まあこれはいいでしょう。映画の中盤で付き合っておかないと、ラスト(主人公が死ぬまで)にかけてが相当駆け足になってしまうので。
しかし・・・
映画開始43分:主人公(男)がプロポーズ
はえーよ(笑)
確かに「泣き虫ピエロの結婚式」ってタイトルなくらいだから結婚式を開かないといけないわけですが、それにしてもちょっと急展開すぎます。
3分ですよ?3分。インスタントのカップヌードルもびっくりの急展開にはかなり驚かされました。
ちなみにこれは僕の話になってしまいますが
20代前半のころ、付き合って3ヶ月の彼女に「結婚しよう!」と言って向こうの両親に会うことになりました。両親も僕のことを気に入ってくれたらしく、結婚前提で僕たちは同棲することになりました。
しかし、甘い同棲生活は3日で終わってしまいます。
彼女が浮気をしたためです。(笑)
そのとき僕が得た教訓として
「相手のことを知らずに求婚しちゃだめ」
ということです。(笑)
ちなみに3日で同棲解消したわけですが、
アパート代(2年分)を彼女から払えと言われたので弁護士をつけての大バトルになったのは今となってはいい思い出です。
嘘です。全然いい思い出じゃないです。
主人公(男)を襲う惨劇の結婚式
さて、病気の主人公はそれまで結構元気だったくせに、主人公(女)と出会ってからみるみる容態が悪化して、最終的には字を書くこともままならないほど弱ってしまいます。
そんなある日、病室で主人公(男)がひとりで物思いにふけっていると
突然、彼の友人たちが押しかけてきます。
主人公(男)「ちょ、やめろよ!?なんだよ、おまえたち」
友達「たまには外の空気吸わないと!さ、いくよ!」
そういって主人公(男)は車にぶち込まれ連行されてしまいます。
これが悲劇の悲劇のはじまりとも知らずに・・・
怪訝な表情で主人公(男)が車から降りると、そこはかつて主人公(女)と行ったことがある教会の敷地内であることに気がつきます。
礼服姿の両親、友達たちを目にして驚く主人公(男)。
さらにウェディングドレス姿の主人公(女)がめちゃくちゃどや顔で待ち構えています。
主人公(男)「まさか・・・・これって・・・」
そのまさかです。
主人公(女)はノーアポで結婚式をおっぱじめてしまったのです。
主人公(女)「わたしと結婚してください」
この空気で断れるわけねぇだろ・・・という顔をしながらもまんざらでもない様子の主人公(男)。
よかった、よかった・・・と涙する両親、友人たち。
感動的っぽい音楽が流れて、「泣き虫ピエロ」である主人公(女)は束の間の幸せをかみしめながら涙します・・・。
よかった!よかった!
おめでとう!
・・・・
うーん・・・僕の感想 → まったく感動できない(笑)
そして最後はなんの驚きもなく予定通りに主人公(男)が死んで映画は終了・・・
はぁ~~(ため息)
なんか最近観る映画はハズレが多いような気がする・・・。
もしこのブログを見てくれている人でおすすめ映画とかあれば是非教えてください。
ブログ作成時間:15分
この映画は決しては観てはいけない。 映画感想「血を吸う粘土」
365日映画カレンダー 10月15日 「血を吸う粘土」
おすすめ度
1:完成度が低すぎて、ある意味ホラー映画だと思う
【おすすめ度は1が低評価。5が高評価。あくまでも独断と偏見による評価です】
概要
感想
警告!この映画は観てはいけません
ピン ポン パン ポン♪
警告、警告、「血を吸う粘土」は観てはいけません
警告、警告、「血を吸う粘土」は観てはいけません
いやーーーーーーーぁ・・・
そうとうやばい映画に出会ってしまいました。
重ねていいますが、本当にびっくりするぐらいひどい映画なのでこのブログを読んでいる人は間違っても「血を吸う粘土」を観ないようにしてください。
映画をつくること自体すごいことだと思うので、作品をつくっている人たちには最大の敬意をはらいたいと思っていますが、さすがに今作はちょっとひどすぎましたねー。
そもそもギャグ映画
映画開始5秒後、常人では思いつかないような恐怖演出が僕たちを襲います。
デロデロデロ・・・(不気味なBGM)
東京造形大学 879 2269
武蔵野美術大学 1750 6830
・・・・・
????(笑)
この数字がなにを表しているか、すぐに分かりましたよね?
そうです。
美術系の大学の受験者数 および 合格者数 です
僕は前職が高校の教員だったわけですが、実は美術系の大学は非常に狭き門で、難関大学ともなるとある意味、東大に合格するより難しいです。
教え子のなかには何浪もして、結果的に美術系の大学を諦めたって子なんかもいます。
あまり知られていないと思いますが美術系の大学って難しいんですよー。
こわいっすねーははは
って、バカ!(笑)
この演出でなにが言いたかったかというと、今作の登場人物たちは美術系の大学に進学することを目指していますよーっていうこと。
で、登場人物たちはちいさな田舎町の美術予備校(といってもめっちゃショボくて生徒は5人しかいない)に通っています。
なかには浪人している生徒もいて、そのため予備校の雰囲気は割とぴりぴりしています。
塾の授業内容は作品をつくる→先生が評価するというスタイルらしく、自分の作品がなかなか思うように評価されないことに苛立ちを覚えている生徒もいます。
「2浪はできない。絶対に今年は合格しなければならない!同じ予備校に通っているけど、みんな敵だ!」
なんていう生徒もいて、いかにもホラーな展開が起きそうですね。
実際にホラーな展開が起きます。
予備校の先生が、「呪いの粘土」を掘り起こしてしまったことをきっかけにして、恐ろしい出来事が生徒たちを襲うのですが、ある意味恐怖なのが「呪いの粘土」が
まったく怖くない
ということです。
呪いの粘土=ピングー
突然ですが「ピングー」というキャラクターを知っていますか?
もし知らないようでしたら上に埋め込んだ動画を見てもらえればいいと思います。
今作の美術予備校に通う生徒たちを襲う「おそるべきモンスター」は「粘土」なわけですが、どのような「恐ろしい粘土」をイメージしましたか?
しつこいかもしれませんが念のためもう一度いっておくと、今作のモンスターは粘土です。
粘土ですよ?(笑)
すごいリアルなCGで描かれた粘土がスピーディーに動いて、生徒たちを襲うシーンをイメージした人がいるかもしれません。
しかしごめんなさい。おそらく今作は超ウルトラ低予算で作られており、そんなすごいCGなんて作れるわけがありません。
粘土は一応動くわけですがとても2017年(割と最近の作品なんですよ・・笑)の作品とは思えないほどチープな動きをします。
大学生がつくった自主制作の映画の方がマシなレベルです。
じゃあ一体それはどんな動きなの?って気になるかもしれませんが、決して今作を観てはいけません。時間の無駄だからです。
「呪いの粘土」は「ピングー」とほぼ同じような動きをするので、うえに貼っておいた動画を観てくれればそれで十分です。
お決まりのエログロすらない
B級映画、特にホラー映画だとエログロ要素があったりして一定層には需要があるわけですが、今作にはそういった要素は一切ありません。
どうやら登場する女子生徒たちは「ミス○○コンテスト」の受賞者らしく(しかもルックス的にかなり微妙でそれほど可愛くない・・・)過激なシーンはNGなんでしょうね。
恐怖はさらに伝播する
さすがにこのレベルの作品だとネットでの評価も相当悪いだろうなーと思って検索してみるとそれほど評判が悪くなかったです。
まじか・・・。
それはさておき、僕はとんでもないものを発見し、恐怖しました。
まさかの続編・・・・・・。(笑)
10月11日から上映されているらしい・・・。観る人いるのか?
ブログ作成時間:15分
謎の世界観が無理だった。 映画感想「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
365日映画カレンダー 10月14日 「ぼくは明日、きのうの君とデートする」
おすすめ度
2:切ないと思えるポイントは多め。ただ設定的に納得できないところがあった
【おすすめ度は1が低評価。5が高評価。あくまでも独断と偏見による評価です】
概要
感想
めんどくさい世界観について
タイトルの時点でまあまあネタバレしているのでなんとなく想像はできると思いますが、今作の最大のポイントは
主人公とヒロインの生きている時間軸が逆
という点です。
この設定自体はオリジナリティがあってなかなかいいと思います・・・・が!
今作、いろいろ独特な設定があって、それらをよくよく考えると「え??」ってなる点がいくつかあります。
理解はできるんだけど納得できない、みたいな。
まずは設定を簡単に説明していきたいと思います。
主人公とヒロインの生きている時間軸が逆
たとえば僕がこのブログを書いているのは
2019年10月14日なわけですが、当然時間がすぎると15日→16日→17日・・・・と日付がかわっていきます。
今作のヒロイン曰く、主人公が生活している世界とはまた違った、「別の世界」があるらしく、その世界は主人公の世界とは逆に時間が流れていて17日→16日→15日と時間がすぎていきます。
主人公 :15日→16日→17日
ヒロイン:15日←16日←17日
例えば16日に主人公とヒロインが「はじめて手をつないだ」としましょう。
主人公からすると翌日は17日ですが、彼女からすると翌日は15日になります。
そこで17日に主人公が
「昨日手をつないだよねー」
と言っても、ヒロインからすると「??」となってしまいます。
原因としては16日に「手をつないだ」ヒロインは15日へ移行してしまったためです。
どういうことかというと・・
主人公 :15日 16日(主人公) 17日
ヒロイン:15日 16日(ヒロイン)17日
16日に手をつないで、次に日になると・・・
15日 16日 17日(主人公)
15日(ヒロイン)16日 17日(*①)
*①・・・16日に主人公と手をつないだことを知らないヒロイン
こんな感じになります。
どうでしょう・・・。すこしはイメージできたでしょうか?
時間軸が逆であることによる弊害は主人公、ヒロインそれぞれあるわけですが、僕的にはヒロインサイドの方が大変だろうなぁという気がします。
普通のカップルって、知り合い→友達→付き合う→手をつなぐ→キスする・・・
みたいな感じで段階的に仲良くなるわけじゃないですか?しかしヒロインはその逆をたどらなくてはならないので
キスする→手をつなぐ→付き合う→友達→知り合い→他人
みたいな感じでどんどん疎遠になっていかざるおえないんですよね。ヒロインは主人公にそのことを悟られないように演技をします。
そもそも無理して付き合う必要はないような気がしますが、そこはちゃんと設定として一応考慮されていて、主人公とヒロインは運命で固く結びついているんですよねー
うーん・・・結局運命ですか。
さて、今作の設定をさらにみていきましょう。
設定について
①主人公とヒロインが住む世界は5年に一度、30日だけ重なる
そういう設定です、と言われればそれまでなんだけどいまいちスッキリしないなぁ。
でもここはあまり深く考えても仕方がないから、ぐっと我慢するしかないのか。
ところで、主人公とヒロインは作中では20歳という設定なので、二人は下記のタイミングで「世界」が重なります
【ふたりが出会うタイミング】
主人公 ヒロイン
5歳 35歳
10歳 30歳
15歳 25歳
20歳 20歳
25歳 15歳
30歳 10歳
35歳 5歳
なぜ20歳が中点(年齢的に二人が重なる)になるの?
っていうツッコミも新たに生まれるわけですが、そりゃ若い方が映画的にもいいからでしょうねー。
例えば二人の年齢が重なるタイミングが40歳だとすると・・
主人公5歳のとき、ヒロイン75歳ですからね。
主人公が子どものころに出会ったおばあちゃんが
実は大好きなヒロインでした!
なんて展開もつくれるわけですが、まったくロマンチックじゃないですもんね(笑)
②主人公は5歳のとき、ヒロインに命を救われる。ヒロインも5歳のときに主人公に命を救われる
普通の時間軸だったら無理なわけですが、今作においてはそれが可能です。上に書いた【ふたりが出会うタイミング】を見てもらえれば分かると思いますが。
この設定について、この記事を読んでいるみなさんはどう思います?
ロマンチックだなーとか、ステキだなーとか思いますか?
僕はそんな風には思えませんでしたね。
それどころか
過去も未来も運命がすでに決定していて、主人公もヒロインもそれをただなぞっているだけ
という気がして物語の熱がすっかり冷めてしまいました。
まあ作中でも主人公、ヒロインは今僕が指摘したような感覚になって、ほんの一瞬だけ微妙な空気になるわけですが
「これから起こることが決まっていてもいい!
君とすごす時間がかけがえのないことに変わりはないから!」
的なポジティブ発想転換により二人の恋はさらに燃え上がります。
今作を楽しめるかについては、これらの設定を許せるか、許せないかに依存しますね。
僕はどうしても許せなかったです。(笑)
こういう設定、自分的には好きかなと思っていましたがダメでした。
相性的にいまいちだったこともありブログの記事量はいつもより少なめ・・・(笑)
あ、今どうでもいいことを思いついたんですけど・・・ヒロインはどんどん過去にさかのぼっていくわけだから・・・スマホ→ガラケー→PHS→ポケベル・・みたいにどんどん不便になっていくんだろーか。(笑)
どうでもいいか。
ブログ作成時間:20分
怪物は語る。3つの深イイ話!しかし4つ目を語るのは、主人公、オマエだ。 映画感想「怪物はささやく」
365日映画カレンダー 10月13日 「怪物はささやく」
映画の「テーマ」って主人公の性別や年齢である程度決まってくるような気がします。
たとえば僕が大好きな「ヒロイン病死系」映画ならヒロインはまず間違いなく「女子高生」で、テーマは「青春」であったり「はかない恋」だったりします。
これが30代のさえないおっさんだったり、おばさんだったりしたら「青春」ってテーマは観ている人に伝わらないでしょう。
30代の主人公ならサラリーマンの「奮闘」だったり、「家族愛」なんかがテーマとして設定されるんだろうな。
さて、今作「怪物はささやく」の主人公はひとりの少年です。
今作のテーマは少年の、精神的な「成長」を題材にした物語です。
おすすめ度
3:世界観はすごくいい。ただ怪物の「深イイ話」が少し分かりにくかった。
【おすすめ度は1が低評価。5が高評価。あくまでも独断と偏見による評価です】
概要
*ひとつツッコミたいところとしてはタイトルが怪物は「ささやく」となっていますが、怪物はそれほどささやきません。
「さぁ、物語を話すから聞け!そんでもって最後はおまえが物語を話せ!話せ!オラァ!話せや!」
みたいない感じで、割と怪物の圧が強め。笑
感想
怪物が話す3つの「矛盾」に関する物語と少年の葛藤
まず設定がすごく魅力的でよかったですね。
・12時7分になると怪物が現れて(この時間にも意味がある)
・主人公であるコナーに怪物は3つの物語を聞かせる
・そして、4つめの物語は「おまえの真実」を話せ、と怪物はコナーに言う
うーん。いい設定だなぁ。
この映画のジャンルは「ダークファンタジー」に分類されるようですが、ダークは置いておくにしても、ファンタジー要素満載で絵本にありそうなストーリーで非常に興味がそそられますね。
しかし難点があるとすれば
怪物の深イイ話が結構わかりにくい
ことです。
まあ大体「イイ話」ってのはよくよく考えてみると話の本質が分かって「なるほど、いい話だなあ」ってなるわけですが、もうすこし怪物くんにはわかりやすく説明してもらいたかった・・・・。(笑)
「要するに」ってまとめると話自体は結構単純なんだろうと、それをふわっと包み込んでいるからよく分からん話になるという・・・。
怪物のよく分からん深イイ話には主人公であるコナー少年も困っていて、「なに言ってるかわからないよ!」と映画を観ているひとの気持ちを代弁してくれます。
サンクス、コナー。
まあ結局、怪物の語る物語は主人公コナーに通ずる話であり、僕が思うに
コナーが心のなかに抱えている「矛盾」に関する物語なんですよね。
お節介やろうの怪物くんは「この話はおまえのことだから、よく考えてみろよ」
ってコナーに諭しているわけです。
3つの物語のなかでも割とわかりやすかったのが、3つめの物語です。
****
・誰からも見えない男いた
・その男は他人から無視されることにうんざりしていた
・しかし彼は透明人間じゃなかった。周りが彼を見なかっただけ
・彼はその状況に耐えられなくなった。そしてこう思った
・誰にも見えない者が、存在しているといえるのか、と
****
その話をきいたコナーはこう言います。
コナー「じゃあ、彼はどうしたの?」
怪物「怪物を呼んだのさ」
コナーは学校ではぼっちキャラかつ、いじめられっ子という設定です。
そんなコナーに対してひどいイジメをする少年がいるわけですが、コナーはいつもいじめっ子のことをじっと見つめています。
まあそんなことをすればどうなるかなんてバカでも分かるわけですが・・・
いじめっ子「俺が振り向くと、おまえがいつも俺を見ている」
きもちわりーんだよーと言っていじめっ子にぶっとばされるわけですが、コナーはいじめられることで自分という「存在」が学校内にあることを証明したかったんでしょうね。
しかしある日いじめっ子が
「これからはおまえをもう見ない」
的なことを言います。
こんなことがあった時に「3つめの物語」を怪物から聞かされたコナーは
「うぉおおおおお!」
と、自分のなかに潜む怪物(暴力性)を呼び起こし、いじめっ子に突進し、馬乗り状態でボコボコにして病院送りにします。(笑)
そこまでのポテンシャルがあるなら最初からいじめられんな、って思いましたけど。
で、結局そのあとどうなったかというと・・・
透明人間は自分の存在を証明するために必死に暴れたが、その結果、より孤独になってしまった
というわけです。
怪物の深イイ話は体験型であり、実際にコトが起きたあとに
「ね、さっきの話の意味わかるでしょ?wwww」って感じです。
そういえば僕が学生時代、
僕が失敗するって分かっているくせに放置しておいて
失敗したあとになって「ほらみろ!」と注意する
むかつく教師いたなぁ。(笑)
一番よかったシーン
怪物がはなす3つの物語は最初は正直
「うーん・・どうなの?」
って感じでしたが、4つ目の物語、つまりコナーが語る「真実」はすごくよかったです。
そもそも最初の時点で
「俺が3つ話すから、4つめはオマエが話せ」
という無茶ぶりに対して、どんなジャイアン的な思考だよ・・・と思っていましたが、コナーが語るべき「真実」とは、
本当は言いたいけど、絶対に口にしてはいけない
コナーが心のなかに抱いている感情
のことなんですよね。
で、その「真実」というのがなかなか残酷なもので
母の死というつらい現実から一刻もはやく逃れたい
といったものです。
コナーの母親は重大な病気に罹っていて(末期の癌?)、さまざまな治療方法をためしますが一向に効果があらわれません。
そんな状態に対して母親はコナーを心配させないために
「次のクスリが効けば、きっとよくなる」
と言いますが、コナーはそれが嘘であることを心のどこかでは確信しています。
母はきっとよくなる
という気持ちと
母は、死ぬ
という気持ちが介在してしまっているわけですね。そしてそんな二つの矛盾した感情を心のなかにしまっておくのはひどく苦痛なことであり、母が死んでしまうことでその苦しみから開放されたいと、実は願ってしまっているわけです。
こういったコナーの気持ちは彼がみる夢にあらわれていて
・裏には墓地に母が立っている
・地面が突然裂けて、母親がその隙間に落ちそうになる
・コナーは母親の手を必死につかむが、最後はその手をはなしてしまう
今作の良かったところとして、主人公の内面が非常に丁寧に描かれていることが挙げられます。派手なアクション映画も爽快でいいですけど、たまには今作みたいな映画をじっくり観るのもいいのではないでしょうか。
小話
コナー少年が抱えていた悩みのひとつに
母の死というつらい現実から一刻もはやく逃れたい
がありますが、僕にも似たような経験があるのでそれについて書きたいと思います。
僕の家では昔から猫を飼っていました。僕が小学生の高学年くらいのころにはもうその猫は結構な高齢になっていて、ある日、猫の調子がおかしいということで病院にいったところ猫は重大な病気に罹ってしまい、残りの命はそれほど多くないということを獣医から聞かされました。
そして獣医はこうも言いました。
症状はこの先どんどん悪化し、猫は痛みを訴えると思いますが、大丈夫ですか?
と。
特に最後の「大丈夫ですか?」という質問が最初は意味が分からなくて、どうして猫じゃなくて僕たちに「大丈夫ですか」と聞いたのか不思議でたまりませんでした。
しかし、獣医の言っていた意味がすぐに分かりました。
猫は定期的に苦しそうに鳴くことが増えて、当時の僕にとってそれは耐えがたい光景でした。そのせいもあって、それまで猫の世話は僕がしていたのですが猫が苦しみ、弱ってしまってからは猫の世話は父親がするようになりました。
またある日、猫を病院に連れて行ったとき、獣医さんから
「安楽死させてあげるという選択肢もあります。いかがですか?」
と提案されました。
僕は猫を安楽死させてあげたいと思いました。
だけど、今思い返してみると僕はただ単に「大好きだった猫」が苦しむ姿をこれ以上みたくなかったからです。
猫がこの先「苦しんで死ぬ」という現実からはやく開放されたいために猫が安楽死されることを望みました。
安楽死させるべきか、させないべきか
僕以外の家族にとっても、猫は大切な存在であったため、獣医の提案は一旦保留にしておいて、どうすべきかみんなで決めることになりました。
もうその頃には猫は本当に弱ってしまっていて、家でずっと寝ている状態でした。
しかし、あるとき、猫のエサがいつも置いてある場所の方で猫の鳴き声が聞こえてきたのです。
家族みんなで声のする方へいってみると、空になったエサ入れの前で猫が鳴いていました。
「お腹がすいたから、はやくご飯をたべさせてよ」
と、僕たち家族に訴えていたのです。
こうして、僕たち家族は猫を安楽死させないことにしました。
その選択が正しかったのか、今でも思い返すことがあります。もっと苦しまずに楽に逝かせてあげるべきだったような気もしますが、猫は「もっと生きたい」と、僕たちに訴えていたような気がします。
それまで僕は猫から遠ざかっていましたが、猫を安楽死させないと決めてから再び世話をするようになりました。症状が軽い日は猫は意外に元気で、お腹を天井に向けて寝そべっている猫の姿をみていると、このまま元気になるんじゃないか?そう思う日すらありました。
しかし、猫は死んでしまいました。
でも猫は苦しむことなく、本当に、眠るようにして逝ったのです。獣医からは「最終的には発作がかなり強くなる」と聞かされていましたが、そうはなりませんでした。
今作「怪物はささやく」のラストでコナー少年は
「お母さん、いっちゃやだ」
「もっと一緒にいたい」
と母に自分の気持ちをぶつけます。
それまでコナーは「母の死」の死から目を背け、自分の気持ちを心の底にしまいこんでいたわけですが、最後は母の死にしっかり向き合い、また自分の本当の気持ちを母に伝えます。
コナーが4つ目の物語、つまり自分の真実(母の死からはやく開放されたい)を語ったとき怪物は
「勇敢だった」
とコナーをたたえます。
怪物が現れたときコナーは
「母さんの病気を治すために現れてくれたんだろ?」
と怪物に問いただします。怪物は
「おまえを癒やすために現れた」
と言っていて、そのセリフの意味がラストでようやくわかりました。
このシーンをみて、昔飼っていた猫のことを思い出したので書いてみました。
猫、天国で元気にしているといいな。
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