エンジニアが映画評論家になるブログ

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エンジニアをしている普通のサラリーマンが、映画評論家になってどや顔で映画評論するまでの軌跡を綴るブログです

この映画は観ない方がいい・・ 映画「ホステル」

365日映画カレンダー 8月30日 「ホステル」

 

 

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映画の評価としてはかなり賛否が分かれると思う

そもそもホステルってなに?

まずタイトルになっている「ホステル」について、ホテルとの違いが気になったので調べてみたところ

 

・ホステルは基本的にドミトリー(相部屋)がほとんどであり、知らない人と同じ部屋に宿泊する

 

という点がホテルと大きく異なるようです。

良い点としては料金がホテルよりも割安であること、旅先で知り合った人と交流をもてること、などがあげられると思いますが個人的な意見としては「絶対に泊まりたくない」なという感想です。寝るときくらい一人で寝たいので。(物音ですぐに起きてしまう。ちなみに地震の初期微動だけで起きてしまうほど)

さて今作はタイトル通り「ホステル」での交流を通して3人がある事件に巻き込まれて窮地に陥るという物語です。

 

概要

アメリカからやってきた大学生二人(パクストンとジョシュ)はバックパッカーをしながらヨーロッパを旅していた。途中からオリーというアイルランド人も加わり、三人は旅先で夜の街を遊び歩いていた。

そんなある日、3人はこんな噂を聞く

スロバキアの郊外のホステルに行けばいい女と気持ちのいいことができる」

さっそくそのホステルに向かうことにする一向。

噂通り、相部屋になった女性たちといい感じになり3人は浮かれるが、「先に帰国する」という不審なメールを残してオリーが行方不明になってしまう。さらにはジョシュまでもいなくなりパクストンは2人を探すために街にくりだし、最終的に古びた廃墟施設にたどりつくのだった。

 

感想(ネタバレなし)

こういう人に観て欲しい

今作は誰でもお気軽にどうぞという感じの映画ではなく、「鑑賞できる人」が限られてくると思われます。

その理由として、演出には「ゴア描写」というものがあって、意味としては

血しぶきが飛び散るような残虐なシーン

のことを指すのですが、今作ではこの「ゴア描写」がかなり強めだからです。

まず「血とかグロイシーンが無理」っていう人は絶対に観ない方がいいと思います。

グロいシーンを含んだ映画は数多く存在するとおもいますが、例えば「SAW」とはまた違ったグロさが今作にはあって、簡単に言ってしまえば「人間が、人間の手によって理不尽に拷問」されます。それもかなり残虐な方法で。

 

なので鑑賞をおすすめする人としては「スプラッター映画好き」。「想像しただけで痛くなりそうな描写が好きな、相当どMな人」、といったところでしょうか。

映画の見所

僕の見解として、映画のテーマは「人間誰しもが持っている、快楽に対しての欲求」だと思います。

どんな人間にもかならず「快楽への欲求」があって、さらにその欲求は、その人間がかかえている「心の闇」とつながっているのではないでしょうか。

社会においてごく普通に暮らしている人でも実はとてつもなく禍々しい「心の闇」を抱えていて、本作ではその闇を拷問という描写によって残酷に表現しているのだと思います。

まるで光に誘われる虫のように、女に魅せられて3人の男たちが事件に巻き込まれてゆく今作はスリリングな展開が多いので、飽きることなく最後まで楽しめます。

 

***以降、ネタバレ&グロイ表現あり***

感想(ネタバレあり)

このシーンが痛いぜ①

映画はジョシュの目線で進んでおり、(彼はたぶん童貞?で他の2人が女たちとわいわいやっているときも彼だけはあまり楽しめていない)主人公だからおそらく死なないだろうなと安心しきって観ていたら

 

映画中盤くらいであっさり殺されてしまうという・・・

 

もちろんその殺され方も残酷で、まずドリルでひざのあたりに穴を開けられて、その時点でジョシュは苦痛と恐怖のあまりおう吐するのですが・・突然

「逃がしてやる」

と言って拷問執行人(実は顔見知りで、旅の途中であった男)は、手足の拘束器具をとりはずします。

 

まじかよ!やったぜ!

 

と逃げだそうとするジョシュですが残念無念、すでに足の腱が切られてしまっていて這いつくばって逃げることしかできません。しかも「逃がしてやる」って言っていたくせに追い打ちをかける拷問執行人。

とにかく今作ではどSな拷問シーンを、鑑賞している僕たちは耐えながら観ないといけません。そういった意味では映画を観ている僕たちも拷問をうけているようなものかもしれません。

 

このシーンが痛いぜ②

これは思い出すだけでこっちまで痛くなってしまいますが、主人公たちと同じホステルに宿泊していたアジア人(作中名は「カナ」)も例の拷問施設に連行されてしまいます。

このカナが拷問されるシーンが本当にグロテスクで、なんと目をバーナーなようなもので焼かれてしまいます。さらにその後も「痛い痛い!」といって泣き叫ぶカナは眼球が飛び出してしまっていて、パクストンは痛がるカナを助けるために・・・・もうこれ以上はちょっと気持ちわるすぎて書けません・・・。

 

結果としてカナは拷問施設から逃れることができますが、彼女は悲惨な最期をとげることとなります。

 

さて残酷なシーンの話題から少しそれますが、すこし思ったのは「カナ」は「お岩さん」をモデルにしているのではないかということです。

なぜなら、目がやけどでただれてしまったカナの顔面はあの四谷怪談に出てくる「お岩さん」そっくりだったからです。ヨーロッパ舞台の映画にアジア人をわざわざ出演させている時点でなにか意図があるような気がしますが映画を観たよっていう人、どう思います?

 

このシーンが痛いぜ③ 

スロバキアは治安があまりよろしくない?(スロバキア人がこの映画みたらどういう感想をもつのだろう)のか、ギャング化した貧しい少年たちが街にはたくさんいて、案の定「なにか食い物をよこせ」と請求してきます。

映画終盤は 主人公(正義) VS 拷問執行人チーム(悪) の戦いになって、いままで一方的に拷問されていた主人公サイドのキャラたちが拷問執行人チームに反撃を仕掛けていきます。

映画でおきまりのパターンのひとつとして「悪には天罰が下る」というものがありますが、拷問執行人チームが主人公を追跡する際、先に記述したギャング少年団と鉢合わせ「食い物をよこせ!」と言われますが、拷問執行人チームはそれを拒否し、道をあけるように彼らをおどします。

 

そんな威嚇にひるむことなく、少年ギャングたちは拷問執行人チームに石を投げまくり、さらには大きな石で思いっきり頭をうちつけたりします。敵サイドが残酷な方法で殺されるという意味では爽快感もありますが、頭がへこんでしまうくらい石で思いっきり打ち付けられるこのシーンは、観ていてぞっとしました。

 

そのせい惨なシーンのあと、子どもたちがおいしそうにお菓子を食べてくつろぐシーンが流れますが、実は今作ではある意味この子どもたちが一番怖いのではないでしょうか・・・

まとめ

 残酷シーンがかなり多めなため、観る人は覚悟して観ること。

映画の展開は起承転結がしっかりとして、ただ敵サイドが一方的に主人公チームを痛めつける(映画のSAWみたいに)だけではなく、反撃シーンもあるので爽快感がある。

残酷な描写もあるけど制作者側の映画作成意図(テーマ)がいくつも隠れていると思うので、「なにを意図してこのシーンを撮ったのか?」と考えながら観るといいかもしれません(例えば、拷問執行人チームはターゲットに値段をつけていて、アメリカ人が一番高い。なぜアメリカ人が一番高いのか?などといったことを考えてみるのも面白いかも)

僕は残酷シーン耐性が結構つよめだと思っていましたが、今作はそんな僕が観ても不快なシーンが多かったです。ホステル2、ホステル3もあるので続編も観ようかな

 

 

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