エンジニアが映画評論家になるブログ

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エンジニアをしている普通のサラリーマンが、映画評論家になってどや顔で映画評論するまでの軌跡を綴るブログです

Netflix 加入してよかったかも。「全裸監督」第1話(裏の世界)感想

どうも、英語検定1級を取得するために映画を毎日浴びるように観ている mitoramu です。

 

Netflix に加入した(といってもまだ無料期間だけど)きっかけは、上記にも書いたように映画検定1級を取得のためだ。一日一本映画を観ることを目標にしたはいいけど平日は仕事をしているし隙間時間を有効に活用できないかなーという考えのもと、お試しで Netflix に加入。

まだ1週間ほどしかたっていないけど使用感的にはいい感じ。

 

基本的には映画の勉強用に加入したのだけどせっかくいろんなコンテンツがあるのだから・・・とサイト内を観ていたところおもしろそうな配信を見つけた。

それが「全裸監督」

 

tokyonow.tokyo

タイトルからして挑戦的でいい感じ。

 

 

概要

前科7犯、借金50億、米国司法当局から懲役370年を求刑されるなど数々の伝説をもつAV監督、村西とおるの人生を描いた作品。

 

まず「村西とおる」って誰だよ・・と思っていろいろサイト内検索をしてみたけど、懲役370年って・・笑。北斗の拳に出てくるデビルリバースみたいだな。

 

あとこの作品は世界190カ国にむけて配信されているらしい。Netflix上では日本語、英語、韓国語、ポルトガル語の音声対応がされていて、動画を視聴中に自由に変換できる。

無駄にすごい。

 

舞台は1980年代の北海道

いきなり山田孝之が演じる村西が喫茶店のきったないトイレで自慰をするシーンがはいる。僕はまず汚いトイレが生理的に無理なのでこのシーンは結構いやだったなあ。

 

で、当時の日本の様子がおおざっぱに説明されるのだけど喫茶店にインベーダーがあったり、中学生や高校生がめちゃくちゃ荒れてたり、1980年代を知らないけどどうやら相当やべー時代だったってことが分かる。それにしても山田孝之は本当にいい感じに「おっさん」感がでている。「世界の中心で、愛をさけぶ」に出演していたあのピュアな少年がまさかこんなことになるとは。

 

第一話の内容は本作の主人公である村西が「裏の世界」へ足をふみだすまでが描かれている。ストーリーのテンポは非常によくて(全8話?だから普通のドラマよりもテンポはかなりはやいという印象)、1話だけでも物語の起伏がしっかりと設計されていて観ていて全く退屈をしなかった。

 

ストーリーの大きな転換としてはざっと以下の①~③といった感じかな。

 

  1. ①村西は英語教材の訪問販売をする営業担当をしているが、営業成績は全然だめ→先輩(板尾)のアドバイスを参考にして一気に営業トップに躍り出る
  2. ②稼ぎが少ないながらも真面目に働き家族に貢献していた→妻に不倫されて、子どもと妻は出て行ってしまう 
  3. ③表の世界(普通のサラリーマン)→裏の世界(ビニ本というエロ本の製造販売業者)

 

感想

まず村西という人物について考察すると、根はすごく真面目、かつ努力家であることが分かる。真面目すぎるが故に訪問販売では笑顔がひきつって客からはまったく相手にされないが、先輩のアドバイスを真摯にうけとめ、相手を褒めて褒めて褒めまくるというスタンスでどんどん営業成績を伸ばしていく。

 

ヤクザに英語教材を売るシーンは笑った。

 

村西「これで『現地の人』とのコミュニケーションもばっちりです! お~グッド!オーグッド!ほら、たったこれだけで大丈夫です」

ヤクザ「まじか!それくらいの英語なら小卒の俺でもつかえそうだな!お~グッド!」

ヤクザに何かを挿入されそうになる村西。

訪問販売って大変なんだね。

そういえば僕が小学生くらいのときまではまだ訪問販売ってやっていたような気がする。百科事典とか図鑑とか、一回だけ買ってもらった記憶があるけどほとんど読まなかったな・・・

 

営業成績が順調に伸びていって社内での評価もどんどん上がっていく村西。子どもたちにも誕生日には欲しいものをなんでも買ってやるぞ、なんて言ってその姿はまさにいいパパ(それまでは営業成績が最悪なのをごまかして、順調にいっていると嘘をついていた)

 

ところがそんなある日、会社の売り上げが入った金庫が荒らされて、誰かに持ち逃げされてしまう。途方にくれて家に帰る村西。さらなる悲劇が待っているとも知らずに・・

玄関の扉をそっと開ける村西。すると違和感に気付く・・・

 

二階から「悩ましい声」が聞こえてきたのだ。階段をゆっくりと上がっていく村西。声の主が妻の声だと分かると驚きのあまり絶句する。

そして修羅場。

矢口真理にもこのシーンは是非見てもらいたいものだ。

しかも妻の不倫きっかけというのが「夫のセックスでは一度も満足したことがない」というのが原因らしく、「気持ちいいと思ったことがない」とまで言われてしまう。

これは男からしたら相当ショックだろう。

 

セックスに対する考え方って男と女で結構違っていて、しかもお互いの考え方をしっかりと共有するのってなかなか難しい。例えば「気持ちよくない」なんて言ってしまえば相手を深く傷つけてしまう恐れがあるし、かと言ってその気持ちを押し殺すのは自分にとっても間違いなくストレスなる。

 

僕が思うに人間の欲求って何層にも重なった球体のようなイメージだ。

何層にも重なる欲求の膜が人それぞれにあって、だけどその核となる部分はみんな共通であり

「自分だけでも、自分だけは気持ちよくなりたい」

っていう動物本来の原始的な欲求にいきつくんじゃないか。

だから今回、妻の不倫は間違いなく妻が悪いんだろうけど、妻の気持ちも全く分からないわけでもない。

実際、その後に村西はスナックで酒を飲んでいるときにトシ(その後、村西とビニ本というエロ本を一緒に売るようになる)には「感じさせられなかったあんたが悪い」と言われてしまうシーンがあって、僕自身セックスについてはいろいろ考えさせられてしまった。

 

さて、上述したトシと出会い、さらに妻の不倫現場を目撃したこともあって村西は「ビニ本」という、ビニールシートでつつまれたエロ本を売り出すことを決めて第1話は終了。

 

まとめ

面白い。

ネットで見ても概ね評価は高いし、普通の地上波では絶対に放送できないような過激な内容であることも Netflix とは相性がいいのだろう。

今作は「エロ」に焦点が当てられているけど、エロって人間のすごく本質的ですごく素直な欲求に基づくものだから観ていて考えさせられる場面も多数登場する。だから単なる過激ドラマではなくてしっかりとしたメッセージ性を持った作品であり、タイトルだけで安易に作品のイメージを決めつけるべきではないと思う。

第2話以降もすぐに見て感想を書いていきたい。 

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お腹の肉が若干だらしないところがキュート

ブログ作成時間:20分