エンジニアが映画評論家になるブログ

エンジニアが映画評論家になるブログ

エンジニアをしている普通のサラリーマンが、映画評論家になってどや顔で映画評論するまでの軌跡を綴るブログです

拍子抜けゾンビ映画 「ワールド・ウォーZ」

 

365日映画カレンダー 9月2日 「ワールドウォーZ」

 

 

f:id:mitoramu:20190902212319p:plain

映画冒頭のスピード感はすごくよかった


 

概要

元国連職員ジェリーは妻カリンと二人の娘を学校へ送るため車に乗っていたが、その途中で交通渋滞にはまってしまう。すると突然人々が車を放棄して逃げ出しはじめ、異変を感じとったジェリーは車を捨てて家族と共に逃げる。

人間を凶暴化させるウィルスがすでに世界各地で蔓延しており、ゾンビに噛みつかれた人間がわずか12秒で同じようにゾンビへと変化してしまうところをジェリーは目撃する。

ジェリーは家族を守りながらゾンビの大群をかいくぐり、安全な場所を探すのだった。

感想(ネタバレあり)

ゾンビの種類

映画ごとにゾンビの特性が違うわけですが今作はどのような特性をもつゾンビたちが登場するのかまずまとめておきましょう。

発生原因

詳しい原因は不明。狂犬病のウィルスが関係している?映画の冒頭でウィルスが世界中に蔓延してゆく様は描写されているが作中では結局のところなにが原因であるか不明のままだった。

特性

・俊敏に動く。むちゃくちゃ運動神経はいい。

・噛みつくことで感染し、人間が噛みつかれると12秒ほどでゾンビになってしまう。

・「音」のみで標的を判断しており音がしばらくないと休眠モードみたいになる。

・知能はない

弱点

ウィルス自身の存在が危ぶまれるような重大な病気を抱えている人間をゾンビたちは襲わない。作中では襲わないというより、「認識できていない」っていう感じ。

 

率直な映画に対しての評価

面白くなかった。

ゾンビ映画をみるとき、こちらが期待しているのは

 

①ゾンビが人間を襲う残酷なシーン

②いままでになかったようなゾンビの設定

③ゾンビ要素+αの部分

 

であって、今作の場合は工夫したなっていう部分は②(ゾンビたちは重大な病気を抱えている人間を襲わないという設定)ぐらいではないだろうか。でも僕はこの設定にもすこし納得がいっていなくて

 

→病気をかかえている人間をみてゾンビがいやがる

 

とかならなんとなく分かるような気がするけど

 

→病気をかかえている人間に対してゾンビたちは完全に無視

 

という描写がひっかかった。作中では「まるで川の水が石をよけるように・・・」と表現していて、この例えはなかなかナイスで良かったなと思ったわけですが問題は、「完全にスルー」なところが気になる。

 

視認できていないんだったらその人間にぶつかりそうなものだし、視認できているならそういった人間を見つけたときに嫌がる素振りくらいしてもいいんじゃない?と思った。なんかこの辺のつめが甘いというか適当なところが個人的には本作の評価を下げることになった。

このシーンにだけは物申したい①

ゾンビが大量発生した原因を突き止めるために主人公はまず韓国にむかうことにする。そこでウィルス研究の第一人者も同行することになるのだけど、はじめ主人公は「こんな若造で大丈夫か?」みたいな態度を取る。

しかしその研究者は今作屈指の明言を残すのだった。

 

自然は連続殺人鬼だ
凄腕の殺し屋で 独創的だ
だが殺人鬼は密かに"捕まりたいと望む"
鮮やかな手口を賞賛されたいんだ
だから手がかりをのこす
何よりも難しいのは手がかりの読み解き方だ
そして時に
ウィルスの"最凶"と思われた部分が
弱点だったりする
自然は弱さを強さと偽りたがる
たちが悪い 

 

僕「めっちゃかっこいい・・・・・!こいつは物語でもキーパーソンになるに違いない」

主人公もこの発言を聞いて研究者を認めたようで、「俺があんたを守る」的な発言もする。

 

しかし

 

その5分後

 

ゾンビに驚いて倒れた拍子に銃が暴発して死んでしまう・・・

f:id:mitoramu:20190901222222p:plain

なんでだよ・・

意味が分からん。こんなに早く殺すなら登場させる意味ないだろ。

このシーンにだけは物申したい②

f:id:mitoramu:20190901221010p:plain

いや、たくさんいるからってさすがにこれは無理だろ

もう上記の画像の通りなのだが、ゾンビの発生原因とその対処方法を突き止めるために主人公たちがイスラエルと訪れたときのシーン。

イスラエルではすでにゾンビ対策がされていて、進撃の巨人よろしく外壁を建造していた。

しかし

避難民たちがイスラムの祈りを大音量のスピーカーで流しはじめる

という愚挙にでたことでゾンビたちが覚醒し、壁を乗り越えてくるという展開なのだけど・・・

 

いや、さすがにこれは無理じゃないか?

今作のゾンビの特性は「凶暴になる」だから、人間のリミッターを超えた動きができるというのもある程度は納得しないといけないのかもしれないけど、いくらなんでもやりすぎだと思った。いちいちこんなことを気にする僕が悪い??

このシーンにだけは物申したい③

裏のテーマとして「家族との絆」を描いているはずなのだけど、奥さんの行動が主人公を窮地に追い込むという、どういった気持ちで観ればいいのかさっぱり分からないシーンがあった。

具体的にどういったシーンだったかというと

 

・雨がふりしきる中、ゾンビたちに気付かれないようにゆっくりと行動する主人公たち

・そのとき主人公の携帯電話が鳴る!妻からの着信!

・ゾンビたちが一気に覚醒して主人公たちを襲う!

 

ねぇ・・携帯の電源くらい切っておけよ・・・

あと奥さん・・・邪魔しかしてないやん・・・

 

いくらなんでもバッドタイミングすぎて笑ってしまった。主人公が携帯の電源を切っていなかったせいで一緒に行動していた仲間たちの何人かがゾンビたちにやられてしまう。かわいそうに。

まとめ

突然、世界が急変してしまう冒頭のシーンは緊張感があってよかったし、ゾンビのビジュアルもグロテスクで怖い。

しかし、全体として平均点以下の完成度で残念な映画。

 

ブログ作成時間:15分