エンジニアが映画評論家になるブログ

エンジニアが映画評論家になるブログ

エンジニアをしている普通のサラリーマンが、映画評論家になってどや顔で映画評論するまでの軌跡を綴るブログです

参加強制?ベテラン刑事の武勇伝を聞く会が面白い 映画感想「ポーカーナイト」

365日映画カレンダー 10月30日 「ポーカーナイト」

f:id:mitoramu:20191030215938p:plain

マスクをかぶった犯人。漫画「20世紀少年」にでてきそう。笑

おすすめ度

4:構成、演出がよく練られていて面白かった!おすすめ!

【おすすめ度は1が低評価。5が高評価。あくまでも独断と偏見による評価です】

 

*ただなぜかネット上のレビューをみるとかなり酷評が多かった・・・。

概要

youtu.be

感想

「ポーカーナイト」というタイトルに関して

タイトルにもなっているポーカーナイトの説明をざっくりします。

ポーカーナイトとは

 

現役を退いた(まだ現役の人もいる)超ベテラン警察官の武勇伝を聞く会

 

のことをさします。主人公(新米刑事)がこのポーカーナイトに招待される、というのが映画のはじまりになります。

 

ところで、よく会社の飲み会とかでやたら武勇伝を語るおっさんっていませんか?

「俺の若いころは○○だった・・・」というテンプレートから始まり、さんざん武勇伝っぽいものを聞かされたあげく最終的にはなぜか説教をされる。社会人の人なら誰しも一度はそんな経験をしたことがあると思います。

 

もちろん僕もそういった経験があって(特に僕は前職が教員だったのでやたら自慢話をしたりクソみたいな説教をする先輩教員は多かった)、本当に嫌でした

 

嫌すぎて飲み会ではひたすらジンジャーハイボールを同期の教員とひたすら飲んでいました。ちなみにお酒をつぎにいくと「体育会系の心得がわかってない!」とどうみても体育会系じゃない先生にビール瓶のラベルが天井を向くように、と言われてたものです。イイオモイデダナー

 

ただですら会社の飲み会なんていきたくないのにその上説教までされた日にはたまったものではありませんよね。

ある年の、たしか年末の忘年会のときだったと思いますけど、あまりにも先輩教員の説教が長かったため、お酒に酔っていたこともあり僕はキレてしまって

「うるせーよ!ボケ!」

と言って飲み屋を出てしまったことがあります。(20代前半でまだ分かったので)

 

そのあとすぐに冷静になって「なんて失礼なことを言ってしまったんだ」と思い急いで飲み屋に戻ると、僕に説教をたれていた先輩教員が申し訳そうな顔をしながら「不快な思いをさせてしまって申し訳なかった」と謝罪してきました。

僕はそのとき「ああ、この人みたいな教員にはなりたくないな」と強く思いました。まあ結局僕は教員を辞めてしまったのでその先生みたいにクソみたいな教員にはならずにすみましたけど。笑

 

あ、話がずいぶんそれてしまったので映画の話に戻します。

 

今作の「ポーカーナイト」でベテラン警察官の話はくそみたいな先輩教員の自慢話とは違ってまさに「武勇伝」であり、ちょっとまぬけで笑ってしまうようなエピソードもありますが、殺人犯を相手にどのように危機を乗り越えたのか?といった内容は非常にスリリングで、もし自分が警察官だったら役に立つだろうなと思いました。

 

ベテラン刑事の一人が

「ポーカーナイト」は実務経験一年分に相当する経験値が得られる」

なんて言うわけですがまさにその通りだと思いました。なかなかしぶいことを言ってくれるので普通にかっこよかったです。

 

どんなときでも決して諦めてはいけない!」的な精神論の話もあるわけですが、ただ精神論で終わらせるのではなく

「証拠不十分で逮捕できなかった犯人がいたが、ある工夫をして、結果的には逮捕したぜ」、だから最後まで諦めずに捜査をするのは大切だ!といった具合に、実体験に基づいた話であるため説得力がありましたね。

 

ベテラン刑事たちのキャラクターも個性豊かで、こんな先輩がいたらなーって思いました。

 

・厳しいけど、しっかり気にかけてくれている怖い刑事

・お調子者にみえるが心の奥底は情熱に満ちた熱血刑事

・一言一言が金言そのものの尊敬に値する刑事

 

そんなベテラン刑事たちがやたら「ファック!」と言いながらケンカしつつ武勇伝を語るシーンは面白かったです。

ところで今作は字幕で観たのすが、本当に観ていてヒクほど「ファック!!」と連呼していました。海外の知り合いとか少ないけど、あっちの人はこんなにも連呼するものなの?笑

 

映画の評価が低い原因はこれか?構成がわかりにくい

実はこの映画、時系列が意外に複雑(というか分かりにくい)でぼーっとしていると「あれ?急に場面がとんだぞ?」なんてことにもなってしまうかもしれません。

 

映画は大きくわけて2本の時系列がはしっています。

 

①ベテラン刑事たちと「ポーカーナイト」をするパート

②殺人犯につかまった主人公が脱出しようとするパート

 

実は今作の主人公は

恋人(ちょっと訳ありの恋人)をおとりにされて、殺人犯に捕まってしまいます。

 

主人公は絶望的な状況からなんとか脱出しようとしますが殺人犯のほうが犯人よりもすこし上手で

あと一歩のところで脱出できそう!→しかし殺人犯に見つかってしまう!

 

てなことになります。そんなときにベテラン刑事たちから「ポーカーナイト」で聞いた話を思い出しながら殺人犯に立ち向かっていく、というのが今作の基本的な構成になります。

 

が、ここで問題があって、それは

 

①シーンが急に切り替わるのでどの時系列の話か混乱してしまう

また

ベテラン刑事たちの武勇伝を思い出すシーンの演出がちょっと特殊で分かりにくかった

ですね。(個人的にはすごく好きだったけど)

 

②についてはどんな演出かというと、ベテラン刑事Aの武勇伝の内容が

「犯人の車に轢かれたけど最後まで諦めずに立ち向かい、最終的には銃で犯人を撃ち殺した」

だったとすると、主人公とベテラン刑事Aがその当時のシーンを客観点に観ているかのように描写されます。

うーん・・・これは文章ではなかなかうまく伝えることができんなー。まあとにかく「その当時のベテラン刑事」と「主人公」が同じシーンに登場するので「あれ?なんでベテラン刑事の武勇伝なのに主人公がいるの?これいつの話なの?」となってしまいかねない、ということです。

 

確かにすこし時系列が分かりにくくて僕も「??」となりましたが、慣れてくればそれほど違和感なく映画を楽しむことができました。

 

主人公がバカなのか、それとも犯人が優秀なのか

今作の評価が低い人の感想をみていると

「主人公が普通にバカ」

といった感想がありました。

また

「ベテラン刑事もあれだけ説教くさく武勇伝を言ったいたくせに、普通にバカ」

なんて辛辣な感想もありましたね。

 

これに関しては・・・うーん・・僕は映画の評価が下がるほど気にはなりませんでしたが、ちょっと「主人公バカかも」っていうシーンがありました。

 

というのも犯人の必殺武器は「接着剤」(冗談ではなく本気で言っています。主人公は殺人犯がもっている接着剤により何度も絶体絶命に陥ります)で、

 

もうーーー!何回おんなじトラップにかかるんだよ!バカ

 

と言いたくなるようなシーンは何回かありました。

あと武勇伝を語っていた先輩刑事が主人公を助けにくるシーンがあるのですが、あれだけかっこいいことを言っていた先輩も割と単純なミスをしてあっさり殺人犯に殺されてしまいます。(笑)

 

あれ、僕、この映画を観て面白いっておもったんだよな?アレ?笑

 

なんか最終的には「おすすめ映画」としての感想ではなくなってしまったかもしれませんが、僕的にはすごくおすすめ映画です。面白かったです、はい。

 

ブログ作成時間:30分